公開型(オンデマンド)トレーニング

採用基準設計セミナー オンデマンド

自社が求める人材像を定義し、面接に落とし込むための具体的な方法を学びます。

セミナー満足度

4.0 / 5.00

star

このような方にオススメ

客観的かつ定量化できる採用基準を作りたい

自社に適した採用基準を作りたい

採用基準をもとに、面接での評価シートを設計したい

3つの特徴

1

汎用的な手法である「カードソートインタビュー」による採用基準設計を習得

数ある基準設計手法の中から、本セミナーでは汎用的な手法である「カードソートインタビュー」を中心に紹介します。短時間かつ手軽に実施できるメリットがあります。この「カードソートインタビュー」による採用基準設計について、「講義・模擬映像視聴・体験演習」を通して身につけます。

2

面接における評価シートの設計方法を習得

求める人材像や要件を導き出したら、次は選考でどう見極めるかを検討する必要があります。採用基準に関連するエピソードを応募者から引き出す質問、面接官同士の評価のぶれを低減する判別指標、面接官が使いやすい評価シートの設計手法をお伝えします。

3

すきま時間で学習可能

単元ごとに細かく分かれているため、すきま時間を有効活用できます。パソコン、タブレット、スマートフォンでの視聴に対応しており、受講期間中はいつでも、何度でも視聴が可能です。

セミナーのご紹介(動画)

プログラム

(受講時間の目安:100分)

1.はじめに
サンプル視聴

・動画の概要

2.採用基準の必要性

・なぜ採用基準が必要か

3.採用基準の種類
サンプル視聴

・採用基準の種類
・使いやすい採用基準とは

4.採用基準設計の手法

・採用基準設計の考え方と手法
・インタビューの種類

5.カードソートとは
サンプル視聴

・カードソートとは
・カードソートのメリット

6.カードソート(1対1)

・カードソート(1対1)を用いたインタビューの進め方

7.【サンプル映像】
カードソート(1対1)

・カードソート(1対1)のイメージ映像の視聴
・インタビュー(1対1)実施の注意点

8.【サンプル映像】
カードソート(1対複数)

・カードソート(1対複数)のイメージ映像の視聴
・カードソート(1対複数)の進め方のポイント

9.カードソートで得られた情報から採用基準を設計する

・情報の整理

10.演習1

・情報を整理し、採用基準を設計することを体験

11.演習1(解説)

・情報のまとめ方や進め方のコツを解説

12.採用基準を基に評価指標を設計する

・評価指標とは
・カードソートの結果から面接の評価指標を設計する

13.コンピテンシー面接

・コンピテンシー面接
・コンピテンシーを確認するための質問について
・掘り下げの手法(STAR手法)

14.演習2

・評価指標を作り、質問例を考えることを体験

15.演習2(解説)

・解答例をもとに振り返る
・面接評価シートのイメージ

16.おわりに

・おわりに

セミナー概要

主催

日本エス・エイチ・エル株式会社

対象者

企業の人事・採用・育成業務に従事されている方(同業者、学校法人、個人の方はお申込できません)

受講費

受講者1名様につき5,000円(消費税等別)

※「受講人数無制限」の年間契約プランもございます。詳しくは、担当コンサルタントまでお問い合わせください。

受講期間

受講用URLメールの到着日から3週間

お申し込み方法

フォームよりお申込みください。お申し込み受付後、原則2営業日以内に受講用URLとログインID、及びログインパスワードの設定方法を記載したメールをお送りします。

※届かない場合は、事務局までお問い合わせください。

お支払い方法

受講用URL等を記載したメール送信後、当社他サービスの利用料金と併せて請求させていただきます。
※振込手数料は貴社ご負担にてお願いいたします。

動作環境

OSとブラウザ

Windows

OS

Windows 10、11

ブラウザ

Microsoft Edge(最新版)、 FireFox(最新版)、Google Chrome(最新版)

Mac

OS

MacOS High Sierra 10.13 以降

ブラウザ

Safari(最新版)

iPhone/iPad

OS

iOS 14.0 以降 / iPadOS 14.0 以降

ブラウザ

Safari(最新版)

Android

OS

Android 8.0 以降

ブラウザ

Google Chrome(最新版)

注意事項

  • ・ブラウザのJavaScript、Cookie、SSLの設定が有効である必要があります。
  • ・セキュリティソフトウェアまたは、アンチウイルスソフトウェアのセキュリティ機能によっては正しく視聴出来ない場合があります。
  • ・株式会社プロシーズが提供するeラーニングシステム「LearningWare」を使用します。

注意事項

・1つのログインIDで、同時に複数の端末で視聴することはできません。

・ログインIDやパスワードの共有、第三者への譲渡を禁止します。また、セミナーの録画・録音、転載、第三者への公開等は固くお断りいたします。

・利用可能期間中にコンテンツの受講が完結しなかった場合や、サービスの利用が無かった場合にも、利用期間の延長や返金は行いません。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 セミナー事務局
Eメール training@shl.co.jp

お問い合わせフォーム

お申し込み・お問い合わせ

今すぐお申し込みしたい方は「お申し込み」よりご連絡ください。
またご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

公開型(LIVE配信)トレーニング

コンピテンシーデザインコース

人事コンサルタントの職務分析と、コンピテンシーデザインの実務スキルを身につけます。

本講座は、LIVE配信で実施いたします。
インターネットに接続されたPC、タブレット、スマートフォンから受講可能です。
受講者の方へは、事前に受講用のURLとパスワードをお送りいたします。

※Webカメラ、ヘッドセットをご用意ください。
(カメラ、マイクが端末に内蔵されている場合は不要です)

このような方にオススメ

社内でコンピテンシーデザインのプロジェクトを企画、実行、マネジメントしたい
異動、昇進昇格、次世代リーダー選抜など、社内の様々な人事要件の見直しや再定義を行いたい

このセミナーで得られること

職務分析・人材要件定義における専門技術(インタビュー、コンピテンシーライティング、プロジェクトマネジメント)が身につきます
自社独自のコンピテンシーモデル作成や、従来のコンピテンシーモデルの検証が内製化できるようになります
SHLグループが持つ世界標準のコンピテンシーフレームワーク(UCF)を活用し”MECEな”モデルを作ることができるようになります

プログラム

本コースは、2日間通しでの開催となります(両日ともに10:00~17:00)。
※事前課題あり(プレコースガイドの読込とワークへの回答)

時間 テーマ 主な内容
1日目 講義 コンピテンシーと職務分析法の概要説明、プレコースワークの回答確認等
講義 演習 カード分類法の理解と体験
講義 演習 クリティカル・インシデント手法の理解と体験
講義 映像 ビジョナリー・インタビュー手法の理解と体験
講義 演習 レパートリー・グリッド手法の理解と体験
2日目 総合演習 総合演習の説明、準備
総合演習 インタビューの実施
総合演習 コンピテンシーデザイン
総合演習 発表と振り返り
講義 コンピテンシーデザインプロジェクトの進め方
講義 総括
  • ・適宜休憩を挟みます。
  • ・上記は本セミナーの標準的なプログラムです。当日の進行上、プログラムを一部変更したり、終了時間が若干前後したりする場合があります。
  • ・コースご参加に際し、事前課題がございます(コース当日、回答内容をお持ちいただきます)。
  • ・実習(グループワーク)の際、ご自身のこと(業務等)についてお話しいただく場合があります。予めご了承ください。

参加者のご感想

インタビュー時に注意すべきことが、演習を通して実感ができました。(自身があまり先入観を持つと上手くいかない等)

広告

すべて活用できると感じました。今後に活用したいと考えています。また、少人数、個別対応に近い形式が非常に良かったと感じています。

金融

開催概要

主催

日本エス・エイチ・エル株式会社

開催日時

開催日程はお問い合わせください

講師一覧

※当日の担当講師は予告なく変更する場合があります。

対象者

企業の人事・採用・育成業務に従事されている方(同業者、学校法人、個人の方はお申込できません)

定員

6名(先着順受付)
開催人数に満たない場合、セミナーを中止させていただく場合があります。
開催中止の際は、10営業日前までにご連絡いたします。

参加費

参加者1名様につき350,000円(消費税等別)※2日間コース

お支払い方法

セミナー終了後、当社他サービスの利用料金と併せて請求させていただきます。

※振込手数料は貴社ご負担にてお願いいたします。

お申し込み方法

フォームよりお申し込みください。お申し込み受付後、原則2営業日以内に受付完了のメールをお送りいたします。

申込日程の変更及びキャンセルについては、10営業日前17時 までにご連絡ください。

それ以降は下記のキャンセル料を申し受けます。予めご了承ください。

10営業日前17時から1営業日前17時まで

半額

1営業日前17時以降から当日

全額

※お申込みいただきました場合には上記キャンセルポリシーを承諾したものとみなします。

お申し込み期限

セミナー開催日の10営業日前16時

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 セミナー事務局
Eメール training@shl.co.jp

お問い合わせフォーム

お問い合わせ

ご不明な点がございましたら、担当コンサルタントまたは「お問い合わせ」よりお気軽にご連絡ください。

セミナー・イベント

2025年6月24日開催!
採用シンポジウム2025 「新卒採用 各社の挑戦」

人材の流動化が進み、新卒採用の難易度は年々高まっています。一方で、人材獲得は重要な経営戦略のひとつです。毎年ご好評いただいている本シンポジウムでは、今年もリーディングカンパニーの気鋭の採用担当者をお招きし、新卒採用の最新事例のご講演と、現状の課題や今後の展望についてのパネルディスカッションを行います。

こんな方におすすめ

企業の先進事例を具体的に知りたい
新卒採用を見直したい
新たな採用手法などを模索している

ゲスト講演・パネルディスカッション

牧村 夕貴 様

牧村 夕貴 様

アクセンチュア株式会社
人事本部 リクルーティング
新卒採用統括 マネージャー

笹倉 由衣 様

笹倉 由衣 様

大日本印刷株式会社
人財開発部 採用グループ

古澤 健太 様

古澤 健太 様

株式会社ニコン
経営管理本部 人事部 採用課

村田 祥太郎 様

村田 祥太郎 様

三井物産株式会社
人事総務第一部 採用企画室
新卒採用チームリーダー

開催概要

開催日時

2025年6月24日(火)14:00-17:00

アーカイブ配信

2025年7月31日(木)まで

配信方法

ZoomによるLIVE配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
✉ Eメール: event@shl.co.jp
☎ TEL:03-5909-7207

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セミナー・イベント

2025年6月24日開催!
採用シンポジウム2025 「新卒採用 各社の挑戦」

人材の流動化が進み、新卒採用の難易度は年々高まっています。一方で、人材獲得は重要な経営戦略のひとつです。毎年ご好評いただいている本シンポジウムでは、今年もリーディングカンパニーの気鋭の採用担当者をお招きし、新卒採用の最新事例のご講演と、現状の課題や今後の展望についてのパネルディスカッションを行います。

こんな方におすすめ

企業の先進事例を具体的に知りたい
新卒採用を見直したい
新たな採用手法などを模索している

ゲスト講演・パネルディスカッション

牧村 夕貴 様

牧村 夕貴 様

アクセンチュア株式会社
人事本部 リクルーティング
新卒採用統括 マネージャー

笹倉 由衣 様

笹倉 由衣 様

大日本印刷株式会社
人財開発部 採用グループ

古澤 健太 様

古澤 健太 様

株式会社ニコン
経営管理本部 人事部 採用課

村田 祥太郎 様

村田 祥太郎 様

三井物産株式会社
人事総務第一部 採用企画室
新卒採用チームリーダー

開催概要

開催日時

2025年6月24日(火)14:00-17:00

アーカイブ配信

2025年7月31日(木)まで

配信方法

ZoomによるLIVE配信

受講料

無料

受講対象

企業および組織の人事に携わる方

※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。

お問い合わせ

日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
✉ Eメール: event@shl.co.jp
☎ TEL:03-5909-7207

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導入事例

複線型キャリアと絶対評価によるスペシャリスト育成。業界をリードする高度ソフトウェアエンジニア集団を目指すデンソークリエイトの人事制度改革。

複線型キャリアと絶対評価によるスペシャリスト育成。業界をリードする高度ソフトウェアエンジニア集団を目指すデンソークリエイトの人事制度改革。

高度ソフトウェアエンジニア育成のための新人事制度を導入した、デンソークリエイトの企業改革をご紹介します。

※本取材は2021年12月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

株式会社デンソークリエイト

事業内容

車載組込ソフトウェアに関連する研究開発および先行開発、開発支援ソフトウェア(プロジェクトマネジメントツール、レビュー支援ツールなど)の開発、ソフトウェア技術者教育、プロセス改善・品質監査およびソフトウェア構造改革推進

業種

情報・通信業

従業員数

277名(2022.1.1現在)

インタビューを受けていただいた方

加藤 宏幸 様

株式会社デンソークリエイト
取締役

インタビューの要約

自動車産業におけるソフトウェアへのニーズの急拡大に対応するため、企業改革を実施。「高度ソフトウェアエンジニア集団としてグループ・業界をリードする会社」を目指し、スペシャリスト育成に振り切った新人事制度を導入。
新制度のポイントは、早期のキャリア複線化、キャリアアップ計画の作成、能力基準(コンピテンシー)とスキル基準(ソフトエンジニアとしてのスキル)に基づく絶対評価の人事考課、年功色の薄い処遇など。
コンピテンシー基準は日本エス・エイチ・エルのアセスメントをもとに作成。これに則り毎年の評価者研修を徹底。また、昇格候補者の審査にも同様のコンピテンシーが適用されている。
新人事制度導入以降18名のスペシャリストが誕生し、社員満足度調査の結果も向上。人事考課アンケートや社員満足度調査によるフィードバックを得ながら、現在も制度の改善を続けている。

ソフトウェアニーズの急拡大により会社への期待が増大。高度ソフトウェアエンジニア集団としてグループと業界をリードする会社を目指し、企業改革を実施。

当社は自動車がソフト化する将来を見据え、優秀なソフトウェア技術者の獲得を主な目的として、名古屋の小さなIT企業として誕生しました。ソフト開発を行うのは人であり、人だけが財産の会社です。親会社とは異なる、当時としては思い切った独自路線で、人事の仕組みを作成しました。コアタイムなしのフレックスタイム制、服装は自由、「アトリエ」という担当業務以外を含む組織でのコミュニケーションと自己研鑽などが特色でした。

設立から四半世紀が過ぎ、会社の規模が拡大するにつれ、トップが全員の能力を把握して処遇するようなことはできなくなりました。人材管理、配置・育成をしくみで行うこと、いわゆるタレントマネジメントが必要になったのです。
ソフトウェアに対するニーズの急拡大により、会社への期待が一気に高まる環境変化に対応し、2016年から企業改革を開始しました。目指したのは「高度ソフトウェアエンジニア集団としてデンソーグループ・業界をリードしていく会社」。親会社からの依頼に対応するだけではなく、ひとり一人が主体性を持って考え、提案し、自身のキャリアを描いて切磋琢磨する組織風土を目指しました。

スペシャリスト育成のための新人事制度をスタート。キャリアの複線化、キャリア計画の作成、コンピテンシーとスキル両面の能力開発、絶対評価などを導入。

改革の目玉として、2017年に新人事制度をスタートしました。それまでのトップの関与が強く、個別に判断して決める傾向があった人事から、仕組みで回す総合的な人事制度を構築して導入。人事の方針は、ソフト技術者は労働市場において流動性が高いことを前提とした考え方から、長期雇用・育成重視へと舵を切りました。
新制度のポイントは、スペシャリスト育成のための早期のキャリアの複線化と、それに付随するキャリアアップ計画の作成。そして能力基準(コンピテンシー)とスキル基準(ソフトエンジニアとしてのスキル)の作成、これに基づく絶対評価の人事考課と、年功色の薄い処遇などです。

スペシャリスト育成のための新人事制度をスタート。キャリアの複線化、キャリア計画の作成、コンピテンシーとスキル両面の能力開発、絶対評価などを導入。

新人事制度の導入に際しては、日本エス・エイチ・エルの協力のもと、評価・育成の根幹となる人材要件(コンピテンシー)を設計しました。このコンピテンシーに基づき、毎年の評価者研修や、昇格候補者の審査等を行っています。また「万華鏡30」を全社員が継続的に受検し、本人と上司が結果を共有の上、キャリアアップ計画作成や能力開発に活用しています。昇格候補者は別途アセスメントを受検し、その結果について日本エス・エイチ・エルのコンサルタントからフィードバックを受け、上司と本人と人事の三者で共有の上、行動改善に役立てています。 ソフトウェア技術者は科学的なアプローチを好むため、能力開発にも計測・データ解析に基づく根拠を示すことは非常に有効です。言葉だけよりも説得力が高まり、行動改善に繋がる可能性が高いと考えています。

新人事制度の成果は、活躍するスペシャリストの誕生、社員満足度の向上。

複線型人事は、会社ニーズだけでなく社員のニーズにも合致していましたので、歓迎されました。管理職ではなく専門職としてキャリアを積みたい人材も数多くいます。結果として18人のスペシャリストが誕生しました。その認定や昇格は、課題発表やアセスメントデータにより吟味して決定しているため、認定・昇格後はほぼ期待通りに活躍してくれています。会社に対するグループ内の評判も向上してきていると感じています。

また、毎年行っている「社員満足度調査」の結果では、新人事制度導入後、人事制度・育成制度に対する満足度は着実に向上しました。会社全体への満足度を示す「総合満足度」は、約50%から70%まで大幅に向上しており、人事の施策は間違ってはいないと自負しています。

新制度の導入は終わりではなく、始まりだと思っています。特に人事制度の要となる人事考課制度については、毎年評価者研修を実施し、評価の行い方と目線を統一しています。また運用の実態を把握するため、人事考課アンケートや社員満足度調査の結果を検討し、評価者やフィードバック者の変更、業績評価の簡素化など、試行錯誤を繰り返しています。

今後の課題は、実務的には、複線化したスペシャリストコースの拡充と認定方法の改善。先が見通し難い世の中で、キャリア形成の仕方をどう考えるかも課題です。また、どちらかと言えば内向きでモノを言いたがらないソフト技術者の意識を変えて、活発な議論が起きる企業風土へと改革を目指すべく、新たな打ち手を考えています。最終的な目標は、デンソークリエイトを日本のソフトウェア産業を代表する会社にし、社員が誇りを持って笑顔で毎日働けるようにすること。人事制度はそのための手段と考えています。

日本エス・エイチ・エルは、グローバルの膨大なデータと知見を持ちながらも、自社の理論を押し付けずに、常に同じ目線に立って寄り添ってくれる点がありがたいです。企業の信頼度だけでなく、適性検査の正確さ、コンサルタントの方の力量も大きいです。長年実施しているフィードバック面談は非常に好評で、今や欠かせない年中行事になっています。これからも宜しくお願いします。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

改正 晃大

高度なスペシャリストを育成するための先進的な人事制度やタレントマネジメント施策はIT業界のみならず、日本の産業をリードする取り組みです。この様なタレントマネジメント施策の設計と運用に深く関わることができ、大変光栄です。「新制度の導入は終わりではなく、始まり」という言葉の通り、制度は導入することが目的ではなく、制度の運用を通じて人が育ち、組織を発展させることが目的です。これからもデンソークリエイト様が目指す「日本のソフトウェア産業を代表する会社」に向けて、コンサルタントとして共に試行錯誤し、お力になりたく存じます。

導入事例

学生のWill(意志)を尊重し、「選び、選ばれる関係」を目指す、住友商事の新卒採用。

学生のWill(意志)を尊重し、「選び、選ばれる関係」を目指す、住友商事の新卒採用。

応募者のキャリア観の変化に合わせて、配属先確約型のWILL選考を採り入れた住友商事。
同時に自社をよりよく理解してもらうための様々な取り組みを行いました。

※本取材は2024年7月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

住友商事株式会社

事業内容

全世界に展開するグローバルネットワークとさまざまな産業分野における顧客・パートナーとの信頼関係をベースに、多様な商品・サービスの販売、輸出入および三国間取引、さらには国内外における事業投資など、総合力を生かした多角的な事業活動を展開。

業種

総合商社

従業員数

5,152人(連結ベース79,692人)

※2024年3月31日時点

インタビューを受けていただいた方

佐々木 亮 様

住友商事株式会社
HR企画戦略部 フューチャータレントアクイジションチーム チーム長

インタビューの要約

学生の立場に立った広報施策の実行と初期配属先を確約する選考形式で多様な応募者の惹き付けをはかった。
面接を構造化し、面接官にはロールプレイを含むトレーニングを実施。面接受験者から面接体験アンケート結果を回収し、面接のさらなる質の向上に取り組む。
今後も、採用広報・選考・オンボーディングにおいて、十分に自社の魅力を伝えられるように試行錯誤と挑戦を続ける。科学的なトラッキングも実施したい。

ポテンシャルの高い人財を獲得し、その力をアンロックする

住友商事は2019年に創立100周年を迎えました。そのタイミングでリリースされたコーポレートメッセージが「Enriching lives and the world」です。住友商事グループの社員一人ひとりがこの言葉を抱きながら、世界中で日々業務に励んでいます。

そして、当社の人財戦略では、“Unlock Your Power“という言葉を掲げています。変化が激しく複雑で予測のつかないビジネス環境下において、多様な知識・経験を持つ社員一人ひとりが、これまで以上にエンパワーされ、Enriching lives and the worldの実現に向けて夢中になる職場で、新たなビジネス創出や課題解決にあたることを追求しています。

このような考え方の下、新卒採用とキャリア採用のベストミックスで採用活動を行っています。数年前までは新規採用の大半が新卒採用でしたが、ここ数年でキャリア採用者数もかなり増加してきています。
新卒、キャリアに関わらず、当社の未来を支える能力、ポテンシャルの高い挑戦意欲に溢れる人財に入ってきていただき、それぞれが持っているパワーをアンロックし、最大化する。そういうことをこれから更に加速していきたい、と考えています。

ポテンシャルの高い人財を獲得し、その力をアンロックする

応募者のニーズをとらえた施策を実行、「選び、選ばれる関係」を目指す

さて、ここからは当社が新卒採用において抱えている課題と打ち手についてご紹介させていただきます。

まず、我々として抱えている課題感としては、「学生のキャリア観が大きく変化してきていること」、「ミスマッチを減らすこと」、「女性管理職比率向上させること(2030年に20%が目標)」、「自社の実態とイメージの乖離を払しょくすること」、「新たな事業を創っていける人財を獲得すること」等があります。

このような課題に対し、私たちの求める人財がもつニーズに対して何ができるかを考えてスピーディに実行し、結果として応募者の方と当社が「選び、選ばれる関係」になることを目指してきました。ここでは具体的に行った取り組みを3つご紹介します。

1.Sumisho Career Seminar
主に女性の求職者にターゲットを絞ったSumisho Career Seminarというセミナーを実施しました。Web形式のセミナーで、女性の人事執行役員と若手社員がパネルディスカッション形式で仕事、働き方、キャリア、プライベートについてざっくばらんに語ってもらうイベントです。一部の学生にとって、総合商社業界は、「ハードワーキング」「体育会」「男社会」というような古いイメージがまだ残っており、ハードルが高いと感じてしまう方が少なくないようです。そのようなイメージを払しょくしたい!そして、もっと女子学生にもご応募いただきたい、という想いから企画しました。セミナー当日は、非常にカジュアルな雰囲気でトークが展開され、当社の魅力や女性社員が活躍しているイメージがよく伝わったようで、セミナー後のアンケート結果を見ても、大変好評な企画になりました。

2.Sumisho Radio
学業や課外活動、アルバイト等、大変お忙しい日々を過ごしておられる学生の皆さんは、所謂「タイパ」を意識して効率的に就職活動をされています。そこで、我々としても、限られた時間の中でも当社のことを効率的に上手く伝えることができないかと考え、Sumisho Radioというイベントを企画しました。こちらもWeb形式のセミナーで、学生の隙間時間であろうランチタイムや放課後の時間帯を狙って開催しました。セミナーは、若手採用担当者数名が掛け合いをしながら、セミナー中にリスナー(学生)から投稿される質問にリアルタイムで回答するというイベントです。リスナーは、必ずしも画面を見る必要はありません。隙間時間に耳だけ傾けていただくことで、当社のこと、就職活動の進め方、キャリアに対する考え方等の情報を効率よく入手いただけたのではないかと思います。こちらの企画も非常に評判が良く、視聴者は平均で毎回300人程度、その中で数多くの質問が寄せられました。結果的に複数の内定者からもSumisho Radioを視聴していた、という声を聞きましたし、良い企画になったと考えています。 なお、この企画は、当時入社一年目だった採用担当者が提案してくれたものです。やはり、「若い人の気持ちがわかるのは若い人だな」とあらためて実感する機会となりました。

3.WILL選考の導入
冒頭でも少し触れましたが、昨今、学生のキャリア観や会社選びの基準は変化してきていると感じます。私は十数年前も当社で新卒採用を担当していたのですが、その頃の当社への学生の志望動機の多くが「グローバルな環境で働きたい」「スケールの大きな事業に携わりたい」「経営者になりたい」といったものでした。一方で近年は、「入社して、具体的にどのような仕事をしたいか」が明確な方が増えてきています。当社でも、一部の学生からは「入社後、自分の希望とは異なる部署に配属されるのではないか」と思われ、所謂「配属リスク」を危惧して、最終的に他社を選ばれてしまうということはこれまで少なからずありました。 そこで、25卒向けの新卒採用より、学生の意志(Will)を尊重した形での、配属先決め形式の採用選考方式である「WILL選考」を導入しました。現場の理解や選考運営の複雑化等、様々な困難はありましたが、結果としてこれまで十分にリーチできていなかった応募者層(理系大学院生等)にも多くご応募いただくことができ、当社の新卒採用活動にも非常にポジティブなインパクトをもたらしてくれたと実感しています。今後の課題としては、募集部署それぞれの募集内容について、情報提供をさらに充実させることだと考えています。25卒のWILL選考では、応募人数は部署によって濃淡があり、イメージが先行して魅力を伝えきれていないと感じる面がありました。

面接の構造化と応募者アンケートで質の向上を目指す

「面接の質の向上」に向けた取り組みについても少し紹介させていただきます。25卒新卒採用では面接官への案内について一部内容の変更を行いました。当社では今まで、「総合商社で活躍してくれるポテンシャルを持った人財」を選んでもらうよう面接官には案内していました。多様な人財に入ってきていただきたい当社にとって、以前のガイドも決して悪かったとは思いませんが、評価基準が曖昧であるという課題感がありました。そこで、25卒からは評価軸を明確に定め、面接の進め方のガイドをより具体的にしました。所謂、面接の構造化です。また、面接官予定者については原則全員に事前の面接官トレーニングを受けてもらっているのですが、そのトレーニングの中で、ロールプレイを導入、その時間を長く取る等の変更も行いました。

加えて、新たに選考受験者向けの面接体験アンケートを導入しました。面接後すぐのタイミングで、第三者機関から面接を受けてくださった学生へアンケートを発信、無記名で答えていただくもので、面接の雰囲気等に関する質問が含まれています。結果はまだ分析中ではありますが、当社の面接における改善すべきポイントのようなものも見えてきている気がしますので、この結果を今後の面接官へのガイド等にも活かしていければと考えています。
応募者の皆さんは貴重な学生生活の一部を使って住友商事に会いに来てくださっていますので、当社での面接の時間が有意義な時間となってもらえればと強く思います。面接の質の向上に向けた取り組みは、引き続き積極的にチャレンジしていきます。

面接の構造化と応募者アンケートで質の向上を目指す

社会の変化とともに、新卒採用を取り巻く環境もどんどん変化していますので、今後もトライアンドエラーを繰り返しながら、様々なチャレンジを積極的にしていきたいと思っています。
採用広報活動と選考活動の領域では、当社のビジネス、仕事、キャリアについて、今よりもっと学生の皆さんに理解いただけるような取り組みを行うこと、当社ならではの独自性をより効果的に伝え、求職者を惹きつけるブランディングを展開すること、そして、行った活動の成果を可能な限り定量化してPDCAを回していきたいと考えています。なお、ちょうど今月(2024年7月)にインスタグラムの公式アカウントを開設しました。我々の新たなチャレンジです。こちらでも採用関連の情報を積極的に発信していきます。

オンボーディングの領域では、内々定から入社までの間の情報提供をさらに充実させて、内定者にとって当社で働くことの解像度を高めてもらえるような取り組みを検討しています。

また、今後の大きな課題の1つとして、これまで蓄積しているOPQデータの活用があります。今は採用選考時の参考資料のひとつという位置づけですが、採用時のデータが入社後にどうなっているか科学的にトラッキングする、初期配属のマッチングをより合理的に行う、要員配置計画の参考にするなど、様々な場面で活用できるのではないかと考えています。実際にどのようなことができるかエス・エイチ・エル様と相談しながら模索していきたいです。

エス・エイチ・エル様の当社担当の清水様は非常に真摯で信頼できる人だと感じています。以前、選考でとある相談をした際に、率直かつ丁寧なアドバイスをしてくださったことがとても印象的でした。良いことも悪いことも当社のために伝えてくれるありがたい存在です。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

清水 智昭

2025年卒の新卒採用活動は住友商事様にとってチャレンジングな年だったと思います。キャリアセミナーや入社1年目の採用メンバー発案によるSumisho Radio、WILL選考や新たな採用クールの実施、面接精度向上の施策。求職者のニーズに寄り添いつつ、人財戦略の達成に向けた新たな試みの数々は、常に新鮮な取り組みを実施していこうとするスタンスを強く感じます。
OPQデータの科学的な活用を通じて、住友商事の活動を最大化(Unlock your power)できるように今後もご支援してまいります。

導入事例

ジョブ型人材マネジメント制度を推進する、NECのジョブマッチング採用。

ジョブ型人材マネジメント制度を推進する、NECのジョブマッチング採用。

組織と個の対等な関係の構築を目指して人事エコシステムを変革し続けるNEC。
採用ではジョブと応募者とのマッチングをさらに進化させました。

※本取材は2024年7月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。

日本電気株式会社

事業内容

ITサービス事業、社会インフラ事業

業種

電気機器

従業員数

単独 22,210名、連結 105,276名、2024年3月31日現在

インタビューを受けていただいた方

松尾 敬信 様

日本電気株式会社
人材組織開発統括部 プロフェッショナル

インタビューの要約

時代に応じた価値を提供し続けるために、組織と個人が対等な「選び・選ばれる関係」の構築を目指す。
ジョブ型人材マネジメント制度の下、新卒採用もジョブ型に。職場受け入れ型インターンシップを拡充。
挑戦したい職種に文理問わず応募できる形に変えたことで、応募者数は増加し、従来であれば応募がなかった層を惹きつけることができた。
今後もリクルーター制度の変革やマッチング方法の見直しなど引き続きジョブ型マネジメント制度を進化させていく。

ネットワーク、IT、AIの技術の強みを軸に、時代に合わせた価値を提供する

私は、大学卒業後、他業界を経験後、2019年にNECに入社しました。現在は新卒採用チームのリードとともに、全社の文化変革を推進するカルチャー変革統括部も兼務しています。

NECは1899年に日本初の外資系合弁企業として設立されました。安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指すことをPurposeとしています。

NECは「ネットワーク」「IT」「AI」の三つのテクノロジーを用いて、国や企業、地方自治体など様々なお客様に対してソリューションを展開しております。「ネットワーク」領域では、海底ケーブル事業や宇宙との通信、「IT」領域では量子コンピューティング、「AI」領域では顔認証に代表される生体認証、日本語生成AIなどの活用があります。

ネットワーク、IT、AIの技術の強みを軸に、時代に合わせた価値を提供する

ジョブ型人材マネジメント制度における採用

当社の人材戦略は、会社としての「適時適所適材」と個人の「キャリア自律」を実現し、「選び・選ばれる」関係の構築を通じて社会価値を創造し続けることです。今年度から全社員にジョブ型人材マネジメント制度を導入していますが、そのためには人事のエコシステム全体を変える必要があり、2018年頃から人事制度や働く環境をスピーディーに細かく変化させていきました。採用活動では、2018年からキャリア採用を強化しています。2023年度の新卒採用と中途採用の比率はおよそ1:1で、あわせて約1,200人の方に新たに仲間に加わっていただきました。また、適時適所適材を実現するための施策の一つとして、NEC Growth Careersという社内公募制度を拡大し、社内で様々なポジションを募集しています。

新卒採用を変革する施策として、ジョブマッチング採用への変革とインターンシップに注力しています。インターンシップはテーマ別(部門別)に学生を受け入れる職場受け入れ型として、およそ150のテーマを用意し、学生が興味を持った領域にチャレンジできる環境を構築しています。今年度は約1,000名の学生を受け入れる予定です。

新卒採用のプロセス全体を見直し、ジョブ型採用を導入

従来は、技術系の職種は理系学生を対象とした学校推薦による部門別採用とし、営業・スタッフ職や一部のSE職は、自由応募による文理不問の採用活動を行っていました。つまり、職種により応募できる範囲に制限がかけられていた状態でした。昨今の学生は、文系学生でも個人的にプログラミング知識を身に着けている方もいらっしゃったり、多様な選択肢の中で自由に企業を選択したいといったニーズもあり、当社が選ばれ続けるためには、応募方法や、文理といった専攻に関わらず、挑戦したいと思った職種に応募できる仕組みとすることがベストと考え、プロセス全体を見直すに至りました。これにより、文系学生でも、専門的な理系知識を必要としない技術系の職種に応募をすることができるようになったり、学校推薦でなくとも技術職に応募をすることが可能となりました。制度導入前は応募者が減少するのではないかと心配もありましたが、ふたを開けてみれば応募者が増加し、一部の職種については修士課程の学生の応募が増えるなど、ポジティブな変化がありました。企業が選択肢を提供することを応募者はポジティブに捉えたのだと思います。また、従来であれば別業界に行くような専門性の高い応募者が「その職種だったら受けてもいいかな」と、NECを選ぶことが増えたと感じています。

新卒採用のプロセス全体を見直し、ジョブ型採用を導入

ジョブマッチング採用の継続的な改善で、人材戦略を実現する

今後の課題はたくさんあります。まずはリクルーターによるフォローの強化です。部門と職種を詳細に分けて募集をするジョブマッチング採用では、きめ細やかなフォローが必要となりますが、同時にマンパワーが必要となり、十分にフォローが行き届かない可能性が高まります。そのため、現在のリクルーター制度を大きく転換しなければならないと考えています。また、営業職の部門別採用への切り替えも大きなテーマです。その実現にはジョブと個人の志向性とのマッチング精度を高めつつも、学生の期待値と企業側の期待値の調整が極めて大切だと考えています。仮にマッチング精度を高めるために各ポジションに求められるケイパビリティを詳細に設定した場合では、当社であれば数百ポジションのジョブディスクリプションを一時期に一斉に公開し、学生はその中から1つのポジションを選択し応募しなければなりません。しかし、近年の学生は配属ガチャへの警戒感を抱きつつも、スピード感を持った就職活動を行いたいと考えていることが現実だと捉えています。例えば、社会課題解決のためにアフリカ諸国へテクノロジーを活用したソリューションを提供したいと考えているけれども、その国がケニアなのか南アフリカなのかは就職活動時点では決まっていないケースがほとんどです。そのため、企業は学生の期待値に応えたポジション設計と情報開示が必要となり、あまりに細かすぎると、逆に選ばれなくなる可能性もあるため、営業職の部門別採用をどの粒度で実行するかについては、市場の動向なども見極めた上で検討しなければならないと考えています。

その他にも、インターンシップのさらなる強化など、引き続き変革を推進していかなければならないと考えています。

日本エス・エイチ・エルは漠然とした相談にも丁寧迅速に対応してくださり、感謝しています。今まではインターンシップと本選考の参考情報としてアセスメントツールを使用していますが、今後はアセスメントデータの活用と選考プロセスを変革することへの積極的な提案を期待しています。

担当コンサルタント

日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント

横山 武史

10年前、東京でのキャリアをスタートしたとき、最初に担当した企業の一つがNECでした。昨年、数年ぶりに担当に復帰して、松尾さんとやり取りをしたとき、日本の伝統的な大企業という印象が一変しました。NECが実行してきた「ジョブ型人材マネジメント制度」や「キャリア採用強化」、「NEC Growth Careers」などを通じて、確かに変革が進んでいると感じました。また、インターンシップの強化や、AIの利用を含めたマッチング方法の見直し、さらには部門側の工数削減など、様々な変革が推進されています。今後も変革を続けるNECの力になれるよう、全力でご支援していきたいと思います。

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人材ポートフォリオ

どこにどんな人がどれだけいるか。今いる人材を定量的に把握し、目指す組織や人事戦略に活用します。

人材ポートフォリオとは?

社員の属性などの人材情報を可視化して、経営・事業戦略と人材・組織とのギャップを明らかにし、組織・人材に関する問題の発見、人事施策の導入や見直し、人事的な意思決定の改善などに役立てます。 階層、部門、職種に求められる人材要件を定義するための調査分析、社員の個人情報(業績、コンピテンシー、ポテンシャル)を収集するためのアセスメントや仕組みの開発、それらの導入と運用を支援します。タレントマネジメントの基礎となる取り組みです。

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スキル

ジョブからスキルを中心とした人事への変革に当社のアセスメントが活用できます。

スキルベースの組織とは?

ジョブではなくスキルを中心とした人事管理を行う組織です。ジョブを一人の人が行う組織の最小単位と捉えるのではなく、一つのジョブをスキルの集合体と捉え、スキルと人を結び付ける考え方です。プログラミングなどのハードスキルだけではなく、リーダーシップなどのソフトスキルを含んでいます。スキルから仕事を再編成することで、急速な環境変化に合わせた組織体制の変更が機動的に行えます。アセスメントでスキルを可視化することは、未来に対応する柔軟な組織作りに必要不可欠です。

日本では企業の雇用形態がメンバーシップ型からジョブ型へ変化しはじめたところですが、既にジョブ型雇用が一般的な欧米企業では新しい組織人事のモデルが生まれています。
キーワードは「スキルベース」です。職務を中心にする人事からスキルを中心にする人事への大きな変革がはじまっています。
本コラムでは、新しい人事の概念であるスキルベースについて解説します。

スキルベースの組織とは

スキルベースの組織とは、ジョブではなくスキルを中心とした人事管理を行う組織です。ジョブを一人の人が行う組織の最小単位と捉えるのではなく、一つのジョブをスキルの集合体と捉え、スキルと人を結び付ける考え方です。今までであれば一つのジョブと捉えられていた一連の作業を細分化して、スキルによって分類し、ある人が保有しているスキルに応じてジョブ自体を柔軟に変えてしまう組織人事のあり方です。
ここでいうスキルとは、プログラミング、コーディング、データ解析、外国語などのハードスキルだけではなく、コミュニケーション、リーダーシップ、クリティカルシンキング、完遂能力、回復力などのソフトスキルを含んでいます。


なぜ、スキルベースが必要なのか

欧米でスキルベースが普及していく背景は以下の5つに要約できます。
  1. 従業員の福祉に貢献する
    コロナ禍を経て、人々は単に生活のための給料をもらうだけでなく、社会貢献と自身の成長を実感でき、人として尊重される企業で働きたいと強く考えるようになりました。スキルベースを導入することで従業員一人一人の強みを生かすことができ、スキルトレーニングによってエンプロイヤビリティを向上させることもできます。
  2. 市場や戦略の変化
    スキルから仕事を再編成すれば、組織は変化する環境に対して迅速に対応できるようになります。コロナ禍で職務の変更を余儀なくされた人が多くいました。多くの人は新たな職務への適応に時間がかかったはずです。スキルベースを導入していれば、各従業員の持つスキルに基づいて新たな職務を創出し、より早く成果を出すことができていたでしょう。
  3. 人材不足
    スキルベースでは、学歴や経験といった従来の指標にとらわれず人材の能力や学習・適応能力に注目して人を選ぶため、従来では採用できなかった人材を採用したり、候補者として社内選抜したりすることが可能です。スキル重視の企業は人材パイプラインを9.4倍増やすことができます。
  4. デジタル技術革新のスピード
    生成AIの発達により職務の一部をAIに担わせることができるようになりました。職務に求められる役割とスキルが変化しているのです。私たちは人が行うべきタスクを再編成し、新しい職務を作り出さなければなりません。スキルベースはこのような職務の再編成に適したモデルです。
  5. 働き方の多様性に対応する
    多くの人が自分のスキルを武器にしたフリーランスやプロジェクトベースの仕事をはじめています。また、企業で働く人であっても職務記述書に書かれた仕事だけをしている人は少数派です。特にエグゼクティブの大半は担当する部門や職務領域を超えて仕事をしています。

スキルベースの実践

スキルベースの実践においてはじめに着手すべき人事施策は3つあります。

スキルベースの採用
スキルベースの選考プロセスを構築します。採用基準としては、資格や職務経験よりも、スキルや能力、適性を優先します。これにより未経験者を選考の対象とできるため応募者が増加し、採用人数を増やすことができます。 選考ではスキルベースのアセスメントや行動面接を活用し、スキル要件に照らして評価を行います。


スキルベースの人事異動、登用任用
現有社員は組織と仕事の知識を持っており、自社のビジネスを熟知しています。外部から採用する人材に比べて即戦力になる可能性が高いことがわかっています。 スキルベースの社内公募や人事異動を活発に行うことで社内の人材流動性を高めることができます。社内の人材流動性を高めることは従業員のエンゲージメント向上、定着率向上、雇用コスト削減など、多くのメリットにつながります。


リスキリング
経営戦略、事業戦略や人材戦略が変われば、組織の能力やスキル要件も変わります。 社員のスキル、能力、ポテンシャルを個別に把握できれば、より効率的にリスキリングの施策を打つことができます。また、変化に対応できる人材を把握し、個別の状況にあったリスキリングを行えば、育成投資の効果を高めることができます。

スキルベースの問題点

スキルベースは単にスキルによる人事管理というだけでなく、人事管理の根幹に影響を及ぼす大きな変革です。導入にあたっては以下の問題点があります。
「スキルベースモデル導入の主な障壁」(デロイト、2022年)
  1. 旧来の考え方と慣行
  2. スキルに見合った報酬を与えることの難しさ
  3. 変化のスピードへの対応
  4. スキルをビジネスの優先順位に合わせることができない
  5. スキルによるマネジメントの複雑さと難しさ
  6. スキルの共通定義や分類法の欠如
  7. スキルに基づいてパフォーマンスを評価できない
  8. スキルデータの不足
  9. 効果的なスキル関連テクノロジーの欠如
  10. 採用担当者や受入れ部門のマネジャーが、スキルのある人材の見つけ方とスキルの評価方法を知らない


終わりに

私たち日本企業がジョブ型雇用の利点を活用しようと人事変革を進めている中、欧米企業はジョブで人を縛ることが組織運営の柔軟性を損なうとスキルベースというモデルを生み出しました。スキルベースの根底には、人それぞれの強みを生かすために職務を柔軟に変えるという発想があります。この発想、どこかで聞き覚えがあります。そうです。日本のメンバーシップ雇用の考え方です。組織のメンバーとして雇用した人材を生かすために柔軟に異動させ、仕事を作り、定年までその人の能力を最大限に活用しようとするこの考え方です。しかし、メンバーシップ型雇用は人材育成に時間がかかり、急激に変化する環境には適応しづらいモデルです。その点がスキルベースとの違いと私は考えます。
スキルベースの導入にはアセスメントが不可欠です。スキルベースについて詳しく知りたい方は以下のリンクからeブックをご覧ください。
https://www.shl.com/hr-priorities/skills-based-organizations/

参考:
SHL ebook「How to build a skills-based organization」
Deloitte(2022)「The skills-based organization: A new operating model for work and the workforce」