パーソナリティ
3つの行動に関する記述の中から、自分に最もよく当てはまっているものを1つ、次に最も当てはまっているものを1つ選びます。職務に関係する「受検者の典型的な、または好む行動スタイル」を測定し、各種行動特性の予測も行います。

※コース修了後、Personality and Ability Assessment Course Certifitication(パーソナリティ検査、知的能力検査の取り扱い技術に関する認定証書)を発行いたします。
プログラム(本コースは2日間で実施します)
コースのご参加に際し、事前課題としてeラーニングをご受講いただきます。
・アセスメントの基準を定義する
・アセスメントの選択
・能力テストの解釈
・OPQの解釈
・様々なOPQリポートの紹介
・OPQのフィードバック
・能力テストのフィードバック
・口頭によるOPQフィードバック
・フィードバックリポートの作成
・意思決定にアセスメントを活用する
・適宜休憩を挟みます。
・上記は本セミナーの標準的なプログラムです。当日の進行上、プログラムを一部変更したり、終了時間が若干前後したりする場合があります。
参加者のご感想
講師とインタラクティブにトレーニングを進めることができた点。アカデミックな内容も充実しておりHRとしての棚卸ができた。(悪い点は特にありません)。
医療機器
コンピテンシーの理解ができたこと、コンピテンシーカードをもらったことが良かった。
製造
演習を通じて深く考えることができてよかったです。
不動産
step by stepで丁寧に解説いただき、理解が深まりました。小人数のため質問を沢山できたのも実務にすぐ活かせると思いました。
医療
丁寧な説明とロールプレイが良かった。まだまだ勉強しないといけないと痛感しています。
製造
主催
日本エス・エイチ・エル株式会社
開催日時
対象者
企業の人事・採用・育成業務に従事されている方(同業者、学校法人、個人の方はお申込できません)
定員
各回6名(先着順受付)
開催人数に満たない場合、セミナーを中止させていただく場合があります。
開催中止の際は、10営業日前までにご連絡いたします。
参加費
参加者1名様につき350,000円(消費税等別)/2日間コース
お支払い方法
セミナー終了後、当社他サービスの利用料金と併せて請求させていただきます。
※振込手数料は貴社ご負担にてお願いいたします。
お申し込み方法
フォームよりお申し込みください。お申し込み受付後、原則2営業日以内に受付完了のメールをお送りいたします。
申込日程の変更及びキャンセルについては、10営業日前17時 までにご連絡ください。
それ以降は下記のキャンセル料を申し受けます。予めご了承ください。
10営業日前17時から1営業日前17時まで
半額
1営業日前17時以降から当日
全額
※お申込みいただきました場合には上記キャンセルポリシーを承諾したものとみなします。
お申し込み期限
セミナー開催日の10営業日前16時
お問い合わせ
日本エス・エイチ・エル株式会社 セミナー事務局
Eメール training@shl.co.jp
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Insight Platform
Insight Platform(Contextual Leadership)は、コンテクストと呼ばれるリーダーを取り巻く、よく直面する課題や外部環境の経験値とポテンシャルを掛け合わせて、一目で後継人材を可視化するサクセッションプランの支援ツールです。
測定項目 | パーソナリティ(OPQ32r) 経験サーベイ |
---|---|
所要時間 | 40分 |
Insight Platform(Contextual Leadership)とは
キーポストの要件を設定し、候補者にアセスメントを行うことで、経験の有無×パーソナリティの適性、2つの観点から候補者を可視化します。
リーダーの成否にかかわるコンテクストという観点を取り入れることで、組織がより正確にリーダーを発掘、評価、選抜、育成できるようにします。
SHLが行った大規模な調査で、リーダーの成否にコンテクスト(環境や文脈)が重要な要素であることが分かりました。このコンテクストを考慮することで、画一的なアプローチをするよりも平均で4倍以上正確にリーダーを選抜できます。
事業環境やそこで求められるリーダー像が変化してもコンテクストを設定しなおすことですぐに新たな候補者を特定することができます。柔軟かつ多様なリーダー像を素早く定義・発掘してアジャイルな組織体制を支援します。
Insight Platform(Contextual Leadership)
パーソナリティと経験を測定します。
3つの行動に関する記述の中から、自分に最もよく当てはまっているものを1つ、次に最も当てはまっているものを1つ選びます。職務に関係する「受検者の典型的な、または好む行動スタイル」を測定し、各種行動特性の予測も行います。
Insight Platform(Contextual Leadership)が解決する課題
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【4月30日まで期間限定アーカイブ配信】「成功率を上げるデータドリブンなリーダー選びサクセッションプラン最新研究×最先端ツール『Insight Platform』」
本ウェビナーでは、サクセッションプランの成否にかかわる重要な要素、「コンテクスト(リーダーを取り巻く環境)」に関するSHLグループの知見をお伝えするとともに、その知見を活用した次世代リーダー発掘のための最新ツール「Insight Platform」をご紹介します。
※2025年3月6日にSHLタレントマネジメントウェビナー「成功率を上げるデータドリブンなリーダー選び ~サクセッションプラン最新研究×最先端ツール「Insight Platform」」が開催されました。4月30日まで、期間限定のアーカイブ配信でご視聴いただけます。
講師
日本エス・エイチ・エル
HRコンサルタント主任
アーカイブ配信概要
約60分
2025年4月30日(水)まで
Zoomによる録画配信
無料
企業および組織の人事に携わる方
※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。
日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp
ハイポテンシャル人材の発掘と育成に関するご提案
ハイポテンシャル人材育成プログラムがいかに有効でも、育成すべき人を育成しなければ成果は得られません。
半数近くの企業はハイポテンシャル人材を特定する方法を持っていないため、過去のパフォーマンスで選抜を行いますが、これは危険です。
なぜならハイパフォーマーがハイポテンシャル人材でもある確率は7人に1人だけにとどまるからです。
日本エス・エイチ・エルのアセスメントは、グローバル展開の利点を生かし、先進的な知見やデータを用いて貴社のハイポテンシャル人材育成プログラムをサポートします。
サービス内容についてはダウンロード資料をご覧ください(全16ページ)。
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サクセッションプランに関するご提案
ビジネス環境の激しい変化により、サクセッションプラン(後継者育成計画)の重要性がますます高まっています。サクセッションプランを成功させるには、タレントマネジメント戦略全体を検討しなくてはなりません。日本エス・エイチ・エルのアセスメントは、グローバル展開の利点を生かし、先進的な知見やデータを用いて貴社のサクセッションプランをサポートします。サービス内容についてはダウンロード資料をご覧ください(全13ページ)。
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最大37ヶ国語対応 SHLグループ共通多言語アセスメント
「タレントセントラル」のご案内
日本エス・エイチ・エルでは、「GABシリーズ」や「CABシリーズ」といったローカライズされた日本独自のアセスメント商品のほかに、全世界のSHLグループ共通の「タレントセントラル」という多言語アセスメントをご提供しております。
タレントセントラルは最大37ヶ国語での受検およびリポート生成に対応しているほか、モバイル受検できる知的能力検査や用途に合わせた多彩なリポート、ローカル/グローバルおよび役職レベルで選べる基準母集団など、その他のアセスメント商品にはない特徴を備えています。グローバル展開を見越した人材選抜やタレントマネジメントをご検討の企業に最適のアセスメント商品です。
ご興味をお持ちの方は、ダウンロード資料をご覧ください(全8ページ)。
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ハイポテンシャル人材の発掘と育成
本ウェビナーでは、ハイポテンシャル人材の要件と見極めるためのアセスメント手法についてご説明するとともに、ハイポテンシャル人材プログラムの事例をご紹介いたします。
講師
日本エス・エイチ・エル
執行役員
オンデマンド配信概要
約40分
2025年10月30日(木)まで
Zoomによる録画配信
無料
企業および組織の人事に携わる方
※同業者、学校関係者、個人の方のご参加はご遠慮ください。
日本エス・エイチ・エル株式会社 イベント事務局
TEL:03-5909-7207
Eメール:event@shl.co.jp
タレントセントラル
多言語に対応し、「知的能力」「パーソナリティ」「モチベーションリソース」を測定することができるWeb適性検査です。受検言語を問わず同一基準での得点算出が可能であり、上級管理職クラスとの比較等、様々な採点ノルムを有しています。採用だけでなく、登用、育成、サクセションプランでも活用可能です。
測定項目 | 知的能力(演繹的推理、数値的推理、帰納的推理、G+、機械理解) パーソナリティ(OPQ32r) モチベーションリソース(MQ) |
---|---|
所要時間 | 30分~
※実施科目の組み合わせによる |
ノルム | 一般集団/管理職クラス/上級管理職クラス 等 |
タレントセントラルとは
SHLグループがグローバル共通で展開しているWeb適性検査です。「知的能力」「パーソナリティ」「モチベーションリソース」を測定可能です。
最大39言語の受検・レポート出力に対応しています。受検言語とは異なる言語でのレポート出力、統一基準での採点に対応しており、複数カ国の受検者を公平に評価可能です。
一度受検するだけで人事向けレポート、本人向けフィードバックレポート、リーダーシップレポート等、多数のレポートを出力可能です。
一般集団だけでなく、管理職クラス、上級管理職クラスと比較しての得点算出も可能です。採用だけでなく、社内登用、自社の特徴把握等にも利用できます。
タレントセントラル 搭載科目の特徴
知的能力(演繹的推理、数値的推理、帰納的推理、G+、機械理解)、パーソナリティ(OPQ32r)、モチベーションリソース(MQ)を測定します。
モチベーションリソース
特定の仕事環境における記述に対し、どの程度動機づけられるかを回答し、受検者のモチベーションリソース(動機づけられる/動機が下がる要因)を測定します。
レポートサンプル
タレントセントラルで出力できるレポートの一部をご紹介します。
OPQ Profile
パーソナリティ検査で測定している「受検者の典型的な、または好む行動スタイル」32項目を可視化したレポートです。
Universal Competency Report
SHLがグローバル共通で展開している20個のコンピテンシーに対するポテンシャルを可視化したレポートです。各コンピテンシーのポテンシャルだけでなく、どのようなパーソナリティ傾向がプラス、または、マイナスに働いているか等も出力しています。
Leadership Report
受検者のリーダーシップポテンシャルを業務型(マネジメント・フォーカス)、変革型(リーダーシップ・フォーカス)、2つの観点から出力しています。自社リーダーの特性把握に有効です。
ご利用シーン
利用料金
実施科目、出力レポート、ご利用プランによって費用が変動します。
Webテストシステムの利用権をご提供し、各種運用をお客様の手元で行っていただくプランです。
年間使用権料
24万円/年
受検料・リポート出力料(※)
14,000円/名
当社事務にて、各種運用を行うプランです。
受検料・リポート出力料(※)
33,600円
※知的能力G+、パーソナリティ検査を実施し、Universal Competency Reportを出力した場合の料金を例として記載しています。
大量受検、多数のレポート出力に併せた別プランもございます。
お気軽にお問い合わせください。
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積水ハウスの次世代リーダーを育成するタレントパイプライン構築。
経営戦略を実現するための新たな人事組織を立ち上げた積水ハウス。
次世代を担うビジネスリーダーを計画的・戦略的に育成するタレントパイプライン構築の取り組みをご紹介します。
※本取材は2020年9月に行いました。インタビュー内容は取材時のものです。
戸建住宅事業、賃貸住宅事業、建築・土木事業、リフォーム事業、不動産フィー事業、分譲住宅事業、マンション事業、都市再開発事業、国際事業
建設業
16,616名(2020年4月1日現在)
インタビューを受けていただいた方
積水ハウス株式会社
人事部 人材開発室 室長(写真右)
人事部 人材開発室 課長(写真左)
これまでオペレーショナルな業務が中心であった人事部を、10年後、20年後を見据えて経営戦略に沿った人事戦略を担う専門組織にすべく、人材開発室という新たな組織が作られました。様々な人事課題を検討する中で、まずは①タレントパイプラインの構築と②職能資格を中心とした年功序列的な人事制度の変革を、大きな柱として取り組むことになりました。日本エス・エイチ・エルに相談したのは、このタレントパイプラインです。
社長をはじめ、取締役・執行役員、そして一番のキーポジションである支店長のサクセッションプランニングが課題です。私たちは、中堅・若手クラスの中から将来のビジネスリーダーになれるような人を早期に発掘して計画的に育成する、人材プールの作成を経営層に提案しました。
この課題の背景には、過去の反省がありました。営業中心の会社ですから、これまで支店長になる人はどちらかというと業績重視でした。そこで、マネジメント能力や人格など、より多角的に評価を行い、計画的に人材を育成し、登用する必要があると考えました。
私たちの組織が発足する少し前に、支店長養成研修「経営塾」がスタートしました。支店長や部長になる登竜門のようなもので、受講生の選抜方法は上長推薦です。1年間でリベラルアーツや行動経済学、DX、イノベーションなどを大学教授、外部有識者から学びます。幅広く勉強してもらい、その成果を支店経営に活かしてもらうことがねらいです。
続いて、35歳以下の選抜研修を新たにスタートさせました。「Sekisui House Innovators and Entrepreneurs」の頭文字をとって、「SHINE! Challenge Program」と名付けました。15名限定で約1年間、多くの外部講師や社内の最先端にいる人からインプットを得ます。普段実務に専念している人たちに、視野を広げ、視座を高めてもらい、将来の積水ハウスの価値創造を考える機会を提供しています。全体を通して外部コーディネータに伴走してもらいながら、得た知識をどう活かすかアクション・ラーニングを行います。最終的には、研修を通じて得た経営課題からビジネスプランを作成し、経営陣の前で発表します。参加者からは、日常とは異なる視座で会社を考える機会が得られた、他の参加者からよい刺激が得られたとの声が寄せられました。
「SHINE! Challenge Program」は名前の通り、イノベーターやアントレプレナーの素養がある人を探して輝かせることを目的としています。そのイノベーター、アントレプレナーをどのように見つけるのかについて、日本エス・エイチ・エルのコンサルタントに相談して、選抜方法を決めました。
基本的に人材開発室がプログラム参加者の15人を選んでいます。候補者は30歳前後から35歳ぐらいまでの社員約1,100名です。選抜基準は2つ。一つは人事考課などの実績、もう一つはポテンシャルです。日本エス・エイチ・エルのタレントアセスメント(知的能力検査、パーソナリティ検査OPQ、モチベーション検査MQ)を使ってポテンシャルを評価しています。特にOPQから算出されるマネジメント能力やアントレプレナーのポテンシャルに注目しています。
選抜基準の2つの評価を縦軸と横軸にとり(実績を縦軸、ポテンシャルを横軸)、各軸を3つのレベルに分けることで、9つの区分(9ボックス)を作り、右上の区分に入る人から15人を選んでいます。
日本エス・エイチ・エルには採用のアセスメントを長年提供してもらっており、何度も尺度や基準の見直しの相談をして、真摯に協力してもらいました。「SHINE!Challenge Program」の軸を作りたいとなったときに、他のアセスメントも検討しましたが、長年のデータ分析と活用の実績でわかったアセスメントツールの信頼性と妥当性の高さ、カスタマイズの柔軟性から日本エス・エイチ・エルのアセスメントを使うことに決めました。その後、担当コンサルタントと時間をかけて打ち合わせをしながら、選抜手法や評価軸の構造などを決めていきました。
採用でも引き続きご協力いただき、さらに進んだ人材データ分析を行いたいと思っています。また、育成の面では、現場からアセスメント結果をうまく使いたいという声もあがっています。職場風土を変革するために、上下関係や社員同士のコミュニケーションを改善したり、ダイバーシティを推進するため、アンコンシャスバイアスに気付かせたり、といった取り組みを進めています。その中でOPQ、MQを自己理解や他者理解の促進に使いたいと考えています。読みやすく、あつかいやすいレポートやユーザーインターフェイスでアセスメント結果を本人やマネジャーにフィードバックできるとありがたいですね。
担当コンサルタント
日本エス・エイチ・エル株式会社 大阪オフィス 部長
中堅、若手社員の早期選抜は、今や多くのクライアントで取り組まれている重要テーマですが、SHINE! Challenge Programはオンラインアセスメントデータの活用先端事例と思います。自社で保有する業績指標(パフォーマンス)とSHLハイポテンシャルモデル(グローバル経営リーダーに必要な資質)を掛け合わせた人材選抜は、客観性と予測精度を担保できる仕組みと言えます。
また、入社時と現在でのアセスメントデータの変化や、業績、昇格スピード等の各種パフォーマンス指標との関連性など、多岐にわたり検証しながら進める機会をいただきました。
20年近く当社サービスをご利用いただいておりますので、私よりも当社サービスにお詳しい方々ですが、今後も全社的にご活用いただけるよう、支援させていただきます。
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7つの施策に支えられた、三菱自動車工業の次世代リーダー育成プログラム。
三菱自動車工業では、キーポストのサクセッションプランを作成し、パフォーマンスとポテンシャルの両軸により人材を発掘、評価し、動機づけや研修などの次世代リーダー育成プログラムを実施しています。その全容をご紹介します。
※本取材は2021年3月に行いました。ご担当者の役職およびインタビュー内容は取材時のものです。
(1)自動車及びその構成部品、交換部品並びに付属品の開発、設計、製造、組立、売買、輸出入その他の取引業。
(2) 産業用エンジン等及びその構成部品、交換部品並びに付属品の開発、設計、製造、組立、売買、輸出入その他の取引業。
(3)中古自動車及びその構成部品並びに交換部品及び付属品の売買。
(4)計量器等の販売。
(5)損害保険及び自動車損害賠償保障法に基づく保険の代理業。
(6)金融業。
(7)前各号に付帯関連する事業。
自動車製造業
14,407人名〔連結 32,171名〕(2019年度末現在)
インタビューを受けていただいた方
三菱自動車工業株式会社
人事本部 人事戦略部 マネージャー(タレントマネジメント)
私は購買部門でのバイヤー業務、生産管理部門での生産計画・物流の業務を経験したあと、かねてより希望していた人事部に異動しました。工場の人事業務、本社での新卒採用のマネージャー業務を経て、現在は人事戦略部に在籍し、タレントマネジメント領域を担当しています。
タレントマネジメントが導入された当時、複数の課題がありました。一つ目は、将来の経営を担うリーダー人材の不足感。経営的に堅調でなかった時期もあり、やや受け身の判断をするリーダー層のスタンスが強くなっていました。二つ目が、優秀人材の囲い込み。人員管理を徹底する中で、各部門はパフォーマンスの高い優秀人材ほど抱え込む傾向にあり、育成が停滞する傾向がありました。三つ目は、人材育成における透明性の欠如。客観的なファクトに基づく人選ではなく、特定の上長が主観的にリーダーを選ぶような形で人材育成がされていました。四つ目が、中長期視点の欠如。短期的に成果を出せる人材をリーダーとして選出しており、リーダーとなってからの活躍ポテンシャルが加味されていませんでした。
これらの課題を背景に、2016年にはルノー・日産アライアンスに加入し、三菱自動車もアライアンスのタレントマネジメントに参画することになりました。アライアンスのパッケージでタレントマネジメントを導入できたこともあり、比較的短期間でスムーズな導入を果たしました。
ここからは、タレントマネジメントの具体的な導入施策を紹介します。
これらの施策の導入後、浮き彫りになった課題があります。まず、人材育成のための理想的なキャリアパスが実現しないことがありました。この点について掘り下げると、根本的にリーダーが育つ土壌ができていないという問題に行きつきます。優秀人材の抱え込みという課題もありますが、より日常のレベルまで踏み込むと、「(自身の)志は何か?」を社員に考えてもらう研修機会や、上司による日々の問いかけ、寄り添いも不足していたのではないかと思います。こうした環境が備わらないと、人材パイプラインが充実せず、リーダー育成が頭打ちになってしまうことが予想されます。
キャリアパスの実現のためには、上司と部下が相互に協力して高め合う環境を作り上げ、また各部門間でも人材の情報を共有し、現場での育成配置につなげてもらうなど、実態との乖離を埋めていく工夫が必要だと感じています。
今後は、一番下のジュニア世代から、全社でDevelopment Cultureを作ることがポイントだと考えています。まず新入社員~3年目あたりまでオンボーディングを行い、社会人の土台を作る。次のステップでは、事業部門においていずれかの専門性を身に付けることを目指し、高いパフォーマンスを発揮してもらう。その中から一部をマネジメント層に育て、さらに情熱を形成し高めたうえでビジネスリーダーを作り上げる、という育成の流れをイメージしています。
今後の展望としては、人材育成の道筋として部門のキャリアパスを充実させるべく、自動車メーカー特有のバリューチェーンを活かし、関係性の強い部門間での異動を仕組み化し、期限付きの異動やローテーションを整備することで、人材育成に寄与できればと考えています。他部署で人間関係を構築できる効果もあり、ストレッチアサインメントにも繋がりやすくなるはずです。また、管理職になってからのジョブローテーションは、組織のパフォーマンスを一時的に落としてしまうリスクもあるので、キャリア早期での育成目的異動を計画的に実施しておくことが組織開発面でも有効です。
その他にも、キャリア開発のPDCAを回す施策として、上司が部下を育てるためのスキル、例えばキャリア研修や1on1研修などを提供したいです。また、部門とのタレントレビューの機会をつくり、各部門にも人材の情報を共有することで、ストレッチアサインメント、ジョブローテーション等、部門の中での人材育成につなげていくことを考えています。
これから変革期を迎える自動車メーカーの中で、社会課題の解決に向けて新しい価値を提供できるリーダーの育成に貢献したいです。部門が10年先を見てビジネスを考えているなら、人事はさらにその先の20年先を見て人材育成のアシストをする必要があり、その点が人事の付加価値であり存在価値だと思いますので、そういう人事になりたいです。
担当コンサルタント
日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング2課 課長
多くの企業が次世代リーダー育成の重要性を認識していますが、それを仕組み化している企業は多くありません。三菱自動車工業はアライアンスのパッケージがあったとはいえ、異例の早さでタレントマネジメントを導入しました。私は三菱自動車工業にタレントマネジメント部が発足した2017年から本件の導入支援を担当させていただきました。この経験での学びは「まず始めてみることの大切さ」です。自社用に調整しながら速やかに導入し、今もなお改善を繰り返しています。
現在は、人材のポテンシャルを測定するアセスメントと、アセスメント結果をフィードバックするキャリアコーチのトレーニングをご提供しておりますが、これからは有吉さんのおっしゃる20年先を見据えたタレントマネジメントに貢献できるよう取り組んでまいります。
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