経営層の候補者を選定する必要があるという話が、ようやく社内で上がってきましたが、何から始めるべきでしょうか。
すばらしい。具体的には、ハイポテンシャル人材の発掘育成とサクセッションプランの仕組みを導入することになります。 あらゆるタレントマネジメント施策の実施に際してどのようなステップが必要かを概観しましょう。以下のステップで進めます。
1.目標の明確化
タレントマネジメント施策を導入することで、いつまでに何を実現するかを明確にします。例としては、「2026年末までに、すぐにCXOを担える人材(候補者)を各CXOそれぞれ1名以上作る。5年以内に候補者になれる人を3名以上作る。」
2.人材要件の定義
求める人材の人材要件定義が必要です。今回の場合であれば、経営層に求められる人材要件を定義します。人材要件を具体的なポスト(CEO、COO、CFO、CTO、CHROなど)で定義するか、取締役クラスのように特定の階層で定義するか、幅広く管理職以上を対象に定義するかは、目的によります。
3.人材の可視化
アセスメントを実施して、人材のコンピテンシー、スキル、ポテンシャルなどを測定します。査定、職務経験、資格、研修歴などの情報を収集します。
4.タレントマネジメント施策の実行
今回のケースでは、人材データをそろえて経営層の候補者を選定する作業を実施します。ステークホルダーによって構成される人材委員会を発足させ、委員会で人材の選抜を意思決定します。
5.タレントマネジメント施策の検証
一定の期間を経て、当初の目標を達成できたかどうかを検証する必要があります。決めた施策を続けることに意味があるのではなく、目標を達成できるかどうかが重要です。
以上です。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員