適性と好き嫌いというのは別のものという認識もあり、適性はあっても嫌な仕事に従事をさせると退職リスクも上がると考えています。そのあたり、貴社では何か対策されていることはありますか?
二つの考え方があり、これらはいずれも事実だと考えます。
一つは能力が意欲を作るという考え方です。
適性のある職務に就くことでその職務でよい成績を上げることができ、その職務に対する意欲を向上させ、高い意欲で職務に取り組むことでさらによい成績を上げることができます。この繰り返しによって、今やっている職務に対して強いやりがいを感じるようになります。
もう一つは意欲が能力を作るという考え方です。本人が強くやりたいと希望する職務に就くことで失敗しても意欲を失わず努力を継続し、その努力により能力が徐々に向上することでその職務での成績も徐々に高められます。その職務に従事すること自体が喜びですから、何があってもくじけず飽きもせず、誰よりもその職務を長く続けることができます。
多くの普通の新卒入社者は、特定の職務に対しての強い熱意を持っているわけではなく、内定した会社に就職して会社の決めた配属命令にしたがっています。その場合は「能力が意欲を作る」の考え方に基づき、育成とサポートによってよい結果を出してもらい、成長実感を味わってもらうことがエンゲージメントの向上につながります。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員