転職等が多く中間層が少ないので若手社員にとってのロールモデルがいないことに加え、ワークライフバランスを意識する社員が増え、昇進・昇格への意欲がない社員が多いように感じます。どうやって次世代リーダーの発掘と育成をしていけばよいのでしょうか。
中堅層のロールモデルが少ないこと、昇進・昇格への意欲が薄い社員が多いことは事実かもしれませんが「次世代リーダーの発掘や育成」を考えることを妨げるものではありません。
むしろ社員の意識改革ができ、若手社員が大きな成長をするチャンスがあるとお考え下さい。中堅層のロールモデルがいないからこそ、自分たちで「この会社にはこうしたリーダーが必要だ」と考えるチャンスです。新たなリーダー像を造れるのです。経営層と若手社員とで「新たなリーダーとは」というテーマで議論して、イメージを具体化して下さい。そして若手社員がどのようにして成長すればリーダーになれるのか、キャリア育成計画を設計していきます。
現在では働き方に対する考え方も多様化しています。「昇進」がゴールと考える人もいれば、ワークライフバランス重視の人もいます。なぜ「昇進・昇格意欲が薄い」のか、いろいろヒアリングしてみて下さい。個々人のキャリアに対する考え方の違いが見えてくるでしょう。
昇格後に責任だけが重くなるというマイナスイメージが強くあるのでは、誰も昇格を望みません。キャリア選択のなかで自分の成長を感じられるものとしての「昇格」でなければならないでしょう。
役職に就くという「昇進・昇格」ではなく、仕事を通じて成長していけばリーダーシップはついてくるもの、誰もが目指していけるものという意識がもてるような仕組み作りを考えて下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長