タレントマネジメントという言葉はよく耳にするのですが、具体的に何から手を付ければよいのでしょうか。
タレントマネジメントの概念的な位置づけがわかると、何をすればいいかがわかります。
タレントマネジメントとは、組織人事戦略を実現するために行われる、人に対する様々な取り組みのことです。採用、配属、任用登用、昇進昇格、報酬制度、能力開発、リテンションプラン、サクセッションプラン、ハイポテンシャル人材プログラム、組織開発、DEIなどの取り組みはすべてタレントマネジメント施策です。これらの施策は組織人事戦略を遂行するために必要なのです。そして、組織人事戦略は何によって作られるかといえば、経営戦略と事業戦略です。つまり、経営事業戦略を遂行するために必要な組織と人を作るという目的で立案させたのが組織人事戦略です。
これでおわかりですね。タレントマネジメントとして何から着手するかといえば、経営事業戦略を明確にすることです。次に組織人事戦略を明確にし、その後は必要な人事施策を立案、さらに人事施策を実行するうえでの問題を明確にします。最も具体的なタレントマネジメントの効用は、現在発生している人事上の問題を解決することです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員