部下の能力開発のために1on1ミーティングをやっています。なかなか成長の兆しが見られない部下がいます。どんな支援をすればよいでしょうか。
人の成長とはそのようなものです。そう簡単に、できないことができるようにはなりません。だからこそ、適性が重要なのです。
適性とは、特定の役割や職務を遂行する際に前向きに働く、人の性質のことを指します。同じ職務に従事する複数の部下がいる中で、成長の兆しが見える人と見えない人の違いに大きく影響しているものが適性です。その仕事に適性がある人ほど成長が早いのです。では職務の適性がどんなものかわかれば、ぐんぐん成長する人だけを採用できるということでしょうか。それはその通りなのですが、そう簡単にはいきません。なぜなら職務が複雑だからです。一つの職務をうまく行うためには様々な能力が求められます。求められる能力のうち一つでもうまくできなければ、その能力が職務遂行上のボトルネックとなります。上司はそのボトルネックを特定し、適切なサポートをしなければなりません。また、部下の特徴と職務上求められる能力とのギャップが大きい場合、職務や役割の与え方自体を再考する必要があるかもしれません。部下の特徴にあった役割や仕事を作るという、人中心の考え方です。スキルベース組織と呼ばれる新しい組織管理モデルはこの考え方に基づいています。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員