近年、面接で意欲や熱意といったものをアピールできる学生が少なくなったと感じています。いかに能力やポテンシャルが高くても、意欲が感じられないと「入社させて大丈夫だろうか」という不安が払しょくできません。こうした感覚はもはや時代遅れなのでしょうか。ご見識をお聞かせください。
こうした感覚は時代遅れでしょうかということですが、人を採用する側からすれば「入社意欲や熱意」は重要な要素です。
ただ、早期のインターンシップ参加から実質的に就活が始まっている学生側からすれば「入社意欲」の前に、まずは仕事に対する興味、将来を見据えたキャリアイメージをしっかり考えていこうと意識していることを理解してもらいたいのではないでしょうか。 現在の学生の価値観や働くことに対する社会感覚の変化も考えましょう。
いまの学生は、過度に自己アピールすること、熱意を外に強く見せることをクールに思わない傾向があるかもしれません。また意欲や熱意の伝え方も入社意欲という形ではなく、自分のキャリア目標や自己成長を具体的に話すことで伝えようとします。
これは、先輩の社会人が定年まで同じ会社で働くのではなく、常に自己成長を求め転職をしている現状やスキルや経験の向上が必要とされているということも関係しているはずです。
こうした点を考慮すれば、採用する企業側も面接プロセスや面接内容を見直す必要があるでしょう。「意欲」をどう捉えるか、どのような点を「意欲」として評価するかですし、入社することに対する「意欲」ではなく、入社後にどのように自己成長し会社の成長にも貢献していけるかという「意欲」です。
もちろん、選考を通じてこうした意欲をどのように形成してもらうかをサポートしていくことが大切です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長