2025/10/31Q.4240
世の中には様々な採用選考手法があると思いますが、それぞれのメリット、デメリットを教えてください。
- 主要な選考手法について順番にご説明します。
書類選考(履歴書、職務経歴書、エントリーシート)
メリットは学歴、職歴、活動歴、資格や職務経験など確認したい事項を具体的に把握できることです。
デメリットはほとんどありませんが、定性的な情報が多くなるため序列化には向きません。適性検査・アセスメント(知的能力、パーソナリティ、価値観、職務適性、Webテスト、オンラインアセスメント、アセスメントセンター)
メリットは、評価したい要素について客観的で定量的な情報が得られる点です。正しいプロセスで開発されたアセスメントは標準性・信頼性が確保されているため、比較集団との相対化が可能で再現性の高い測定結果が得られます。このため妥当性が確認できるものも多くあります。
デメリットとして申し上げられることがあるとすれば、やり方や選ぶツールによってはコストや手間がかかること、結果の解釈などの使いこなしに専門知識やスキルが必要となることです。もちろん、適切なアセスメント利用はこのデメリットを補って余りある効果があります。面接(個人面接、パネル面接、集団面接、構造化面接、コンピテンシー面接など)
面接の最大のメリットは、評価者と受検者のいずれに対しても納得感が生まれやすい点です。面接を行わず内定通知を出す企業はありませんし、面接をせずに入社を決断する応募者もいません。目的、方法、形式、時間、採用基準、面接官などあらゆる点を自由にカスタマイズできる点もメリットです。
最大のデメリットは、人の主観が評価に大きな影響を与えることです。誰でも面接官になれば応募者とそれらしい対話をすることができるのですが、目的にあった評価情報を正しく収集するには適切な訓練を受講することが必須です。実技・課題型選考(グループディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション、ロールプレイ、ケーススタディ、コーディングテストなど)
メリットは、各課題ごとに測定に適した能力要件があり、その要件の測定については妥当性が高いことです。リーダーシップをグループディスカッションで測定したり、プレゼンテーション能力をプレゼンテーションで測定したりというのはイメージしやすいと思います。
デメリットは、運営や準備、評価者訓練に手間とコストがかかること、テストや面接に比べて評価に時間がかかるため、多くの人を評価する選考段階での導入が困難であることです。
まだまだ選考手法はありますが、このコーナーではここまでとさせていただきます。
このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員