ICT人材を増やすべく、採用に注力しています。既存社員に学ばせる方向でのICT人材化を進めてもいますが、時間がかかり、本人の意欲面でも苦戦しています。何か良い方法はあるのでしょうか。
「ICT人材」という定義のままでは範囲が広すぎて、有能すぎる印象を与えてしまいます。より実態に即した採用や育成を行うためには、スキルを細分化して分類することが重要です。
ソフトウェア寄りの技術者とハードウェア寄りの技術者では興味・関心の領域が異なり、両方を高いレベルでこなせる人材はごく稀です。さらにDXなどの付加価値を創出できる人材ともなれば、大谷翔平選手のように「二刀流」で活躍できる極めて希少な存在と言えるでしょう。
したがって、スキルを細分化し、そのうち一つか二つを高いレベルで保有する人材をターゲットに採用する方が現実的です。新卒・中途を問わず採用は可能ですが、優秀な人材は他社でも常に需要が高いため、一定の囲い込み施策が必要になります。
社内人材の育成については、IT企業であれば実施可能な場合もありますが、十分な研修環境と実践機会が整っていなければ難しいのが実情です。特にネットワーク構築のように、実際に自らの手で構築する経験を通じて初めて身につくスキルでは、実務経験が不可欠です。
このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役