採用要件を明確にすべきなのは理解できますが、それによって面接評価が辛口になり、採用人数が目標に達しないことを懸念して実施に踏み切れません。この点についてはどうお考えですか?
面接評価が辛口になるのは、採用要件の問題というよりも「面接官としての適性」に起因することが多いです。まず見直すべきは面接官自身の評価基準です。
自信があるから良い、というわけではありませんが、評価に自信を持てない面接官や、判断の責任を負いたくない面接官は、往々にして評価が厳しくなります。また、自己評価が高い人も辛口になりがちです。自分を基準に相手を見てしまうためです。
「面接では人のことなど分からない」と言う人もいますが、その人はそもそも面接官として不適格です。
面接で相手のすべてを理解できるとは言いませんが、見えるのは一部であっても、その一部が評価基準に関係しているのであれば、判断を下すことは十分に可能です。
面接官トレーニングの目的は、まさにこの「限られた情報の中から、評価基準に基づいて正確に判断する力」を身につけることにあります。
このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役