当社は採用選考の最終段階でSNS等を確認し、攻撃性・差別発言・反社会的傾向などをチェックしています。法的な問題が無いことは確認しておりますが、倫理的にはいかがなものかとも思っています。SNSのチェックは今後も普及していくのでしょうか。
「SNSチェック」とは企業や組織がSNS上の情報を収集・分析する行為のことですが、このように採用選考でもリスク管理などを目的に行われます。応募者の人物像や素行を把握するために、SNSアカウントを特定して内容を確認します。バイトテロのような投稿がないか、特定の対象を一方的に攻撃していないかなどをチェックするのです。ただし、SNSチェックを行っても、応募者の人柄、価値観、コミュニケーション能力などを必ず評価できるというわけではありません。SNSに問題がなくても、入社後に不祥事を起こす可能性は残ります。
倫理的にも懸念はあります。投稿であっても私的発言であり、プライバシーを尊重すべきです。内容の評価も、採用担当者が主観的・恣意的に判断を下す可能性があります。「あの企業はSNSチェックをやっているようだ」という評判が立てば、採用ブランドとしてはマイナスになるリスクもあります。
SNS時代なのでSNSチェックもある程度は普及していくでしょうが、「どう実施するか」「どこまで踏み込んでチェックするか」「採用の合否材料ではなく、リスク把握に限る」というような運用方針を明確化してルール作りをしていくべきでしょう。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長