今の人事制度では、優秀層の評価が十分にできていないように感じます。評価制度の改定には、どのような手順が必要でしょうか。
「優秀層の評価が十分にできていない」とお感じになるのは、どのような理由が考えられますか。制度そのものの不備ですか、運用面ですか、「優秀層」の定義の問題なのでしょうか。
まずは、何が原因かを明確にします。
制度上の人事評価項目にずれがある。評価の実施に際して主観的要素が強いなど運用にずれがある。優秀という評価結果であっても報酬が物足りないというずれがある。
こうしたずれの確認には、評価結果と実際の業績、好影響、昇格などの活躍内容が整合しているかを見る必要があります。
「優秀層」をどう定義するかが次のステップです。短期的な成果重視か育成・リーダー型か中期的なイノベーション型重視か。こうした評価内容は、会社が事業をどのように成長させていくかという方向性により異なります。
次に評価基準・行動要件を再設計します。どのような行動、成果を上げる人を優秀層として評価するかを具体化します。そしてこの基準にもとづいて運用していくことです。
最後に、優秀層が正当に評価されても、報酬面や昇給面での処遇が変わらなければ、不満ばかりが残ります。評価と処遇は連動させて下さい。
こうした改善を行いながら優秀層のモチベーションの変化をヒアリングし、評価基準や評価内容を修正していきながら定着を図っていきます。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長