他社の同階層の人と関わることで自身のレベルを痛感してもらうため、シニアマネージャークラスの社員を外部研修に参加させようという議論が出てきました。ただ、モチベーションによって研修で得られるものも変わってくると感じています。前向きに研修へ参加してもらうためにできることは何でしょうか。
他社の人との交流は非常に有意義だと思います。ただシニアマネージャークラスの方は経験が長く、「自分の仕事の進め方は社内で評価されてきた」という意識が強く、自分の価値観や仕事ペースを守りがちです。そういった層には、外部研修に参加させる動機付けの工夫が必要になります。
参加目的を「他社の同階層の人と関わることで自身のレベルを痛感してもらうため」という会社側の意識で伝えると失敗します。「何でいまさら?会社はこの研修で査定評価でもするつもりか?」と勘違いされてしまいます。
参加する本人にとってメリットがあるということを伝えて下さい。「シニアマネージャーだからこそ、経営層候補として経験を積んでもらいたい」「期待しているからこそ、参加してもらいたい」というメッセージです。
もちろん参加する前に本人の参加目的を設定していただきますが、研修後のアウトプットがないと、単に参加しただけで終わってしまいます。研修でどれだけ自分に役に立つことが得られたか、自分の価値向上に生かすことができるかをまとめ上げ、今後につなげて下さい。
なお、可能であれば新たにマネージャークラスになった層にこそ、こうした外部人材と交流機会を持たせることで管理職層のさらなる活性化につながるとも考えています。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長