コラム

人事コンサルタントの視点

事例:国際連合のコンピテンシー採用

公開日:2013/08/20

このコーナーは、イギリスのSHLグループがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にグループの広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回は国際連合(United Nations)のコンピテンシー採用事例をご紹介します。

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国際連合は、優れたパフォーマンスに必要な行動を記述するオリジナルなコンピテンシー・モデルをすでに持っていました。コンピテンシーに基づいた選抜や採用プロセスを世界規模で実施するため、国連はHRパートナーとしてSHLを選びました。

課題

国連はその社員の多様性の幅という点でユニークな組織であり、採用プロセスではコアコンピテンシーの発揮能力だけでなく、様々な文化からの応募者が組織に適合する行動スタイルを示すことができるかどうかも測定したいと考えていました。

解決策

SHLが国連のために2日間の面接スキル・ワークショップを設計しました。そこでは、国連マネジャーに客観的で正当化可能な選抜決定につながるようなコンピテンシー面接のスキルをトレーニングします。さらに、SHLが国連用の面接ガイドを作成し、国連コンピテンシーそれぞれを調べるための質問例と評定システムを提供しました。

結果

1999年10月にプログラムがスタートして以降、オーストラリア、エチオピア、メキシコ、アメリカ、チリ、レバノン、ブータン、フランス、ドイツ、スイスなど、1000名以上のマネジャーをトレーニングしてきました。国連マネジャーからの反応はすこぶるよいものでした。参加者は、一般的な専門スキルではなく、特定のコンピテンシーに照らして採用することの重要性を真に理解しました。

その後のフィードバックは、SHLシステムによる「適合度採用」に力点を置いたことが、国連内の風土の進化に積極的に役立ったことを示しています。

また、SHLプログラムの、結果を妥協せずに異文化の規範を理解・適応できるという点は、国連のような包括的組織に不可欠な、公平性や機会均等を維持する重要な手段として歓迎されました。

事実、コンピテンシー面接実施についてのSHLトレーニングは、その後、国連のマネジメント開発プログラムに組み込まれました。

なお、国連児童基金(UNICEF)は国連事務局と全く独立した組織ですが、UNICEFもまた独自のコンピテンシー・フレームワークを反映した同様なSHLプログラムを導入しました。

やや古い事例ですが、国際連合というエスタブリッシュドな組織の人事にもSHLが関与していることをお伝えしたくご紹介しました。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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