コラム

人事コンサルタントの視点

産業組織心理学者が仕事の未来を形作る3つの方法

公開日:2019/07/29

このコーナーは、当社がライセンス契約を結んでいるSHL Group Ltd. がお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主にユーザー向けネット配信、HP、プレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はSHLグループHPに掲載されているブログの記事をご紹介します。

組織の成功するリーダーの見極め・能力開発・配置の支援において、産業組織心理学者はどのように重要な役割を果たせるのでしょうか?

先日アメリカで開催された産業組織心理学会(SIOP)2019年度大会で、SHLは『仕事の未来は今』という刺激的な声明を発表しました。これは単なるスローガンだと皮肉る人もいましたし、もちろんこのコンセプトが意味するものは人によって違います。

SIOPでSHLは、今日の仕事環境における幹部社員アセスメントの課題と成功について議論するパネルディスカッションに参加しました。この経験から、我々が産業組織心理学者として仕事の未来を形作ることにどんなインパクトを与えられるのか、我々の努力が顧客企業の社員やリーダーにどんなプラス効果をもたらすのか、ということを考えてきました。

成功するリーダーの見極めや能力開発、配置を支援するという文脈において、産業組織心理学者がその専門性を発揮して企業を勝利に導く重要な方法が3つあります。

ひとつめは、状況の要請を満たす最適な人材を見極められるように、ビジネス背景を理解する客観的なアプローチを確立することです。幹部レベルの役割は急速かつ劇的に変化しています。特に今日のようなより動的なビジネス環境においてはそうで、今日の課題は1年後、3年後、5年後も同じではないでしょう。

どの役割にもの特定の課題があり、採用に当たっては個別の意思決定が重要です。構造的なアプローチで状況理解を開始することで、その役割に就く将来のリーダーが直面しそうな背景や課題のユニークなニュアンスを明確に分析することができます。

そこから、状況の特定ニーズや要件に合ったアセスメントの構成要素を選択します。そこではSHLの業界をリードするアセスメント力を活用できます。受検者の使い勝手をよくし、結果の予測力を高め、より素早く結果を出力できるよう、我々のアセスメントは常に進化しています。

うまく設計された客観的なアセスメントは、リーダーの職務適合性とレディネスを見極めることができます。適合性は一般に個人がその職務で成功するための内的な特性を反映するものですが、同時にそれらの人々はその役割の任務に取り組む準備(レディネス)ができていなければなりません。リーダーの成功に影響する重要な背景要素に関してSHLの同僚たちが行った先進的な研究によって、我々は、産業組織心理学者として、適合性とレディネスの両方を測る効果的なアセスメントを開発して活用できる立場にいます。

最後に、アセスメントの結果を解釈して、戦略的な人材決定を導いたりリーダー開発施策の優先順位をつけたり戦略的な人員計画を導いたりします。我々は、指先一つで無限のデータや情報が得られるデジタル時代に生きています。データを把握して視覚化することと、個人のキャリアや組織の評判(法的意味も含めて)をかけてその情報を活用することとは、別のものです。我々産業組織心理学者は、おそらくデジタル世界に内在する変化の中で企業が舵取りすることを支援するのに最適の立場にいます。おそらく今は、以前にもましてそうでしょう。SHLがそれを成し遂げている一つの例は、組織のリーダーシップ・ポテンシャルがその組織のビジネス戦略に内在する人材要請にどれくらい沿っているかどうかを描くことです。

幹部レベルの採用や選抜プロセスへの投資は確実に正しくやらなければ業績低迷のリスクがあります。先々の課題を率直に見ること、その背景を基に候補者を適切にアセスメントすること、状況の要請に照らして結果を効果的に解釈すること、この3つを抑えることで即座にビジネス成果が上がり、企業を長期的な成長に向けての軌道に載せることができます。

仕事の未来は真に今です。産業組織心理学者は、情報に基づいた、公平で貴重なやり方でそれを形作ることを積極的に支援しています。実際、産業組織心理学者が2019年の科学関連職務のランキングで上位にいることは、我々にとって驚きではありません。SHLで働く我々は、誇りをもって、組織が仕事の未来を想像・創造することを支援することに重要な役割を果たしています。

原文は 3 Ways Industrial-Organizational Psychologists Shape The Future of Work (https://www.shl.com/)より。

筆者はGreg Robinson、アメリカSHLのソリューション・デザイン責任者です。産業組織心理学者としての矜持がうかがえます。

私も産業組織心理学者の一人として気を引き締めました。

堀 博美

このコラムの担当者

堀 博美

日本エス・エイチ・エル株式会社

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