よく人材ポートフォリオの話が挙がりますが、上手く使えているといった企業を見たことがありません。何か実例はありますでしょうか?
人材ポートフォリオに限らず道具をうまく使えるかどうかは二つの要素に関わります。
一つ目は、その道具の必要性です。道具は使う目的と効用がはっきりしていない限り無用の長物と化します。パソコンが良い例です。利用目的が不明確なままパソコンを購入すると結果的に動画視聴専用端末になってしまうのです。もったいない。
二つ目は、道具を使いこなす技術です。高度化した道具ほど使い手の技術を求めるものです。私は近年当社でMAとSFAを導入しましたが、使う側のスキル次第で毒にも薬にもなる道具であることを痛感しています。
さて本題の人材ポートフォリオですが、日本の大手メーカーが人材ポートフォリオを採用で上手に活用している例があります。この会社は、自社の求めるコンピテンシーを基準とした2軸4象限に、全社員のOPQデータを置き、現状の社員傾向をつかみました。そのうえで、理想の人材分布を定義して、理想と現実のギャップをうめる採用を進めました。
道具は目的を明確にすればうまく活用できるようになるものです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員