人事考課にコンピテンシー評価を取り入れるメリットを教えてください。
大きなメリットは二つです。
一つ目は業績改善を期待できること。二つ目は客観的に評価できること。
コンピテンシーは成果を生み出す行動です。コンピテンシーを評価基準にするということは、長期的に成果を生み出せることを評価するというメッセージになります。
コンピテンシーは顕在化した行動です。したがって保有している能力に比べて、外から観察しやすいという特徴があります。観察できれば客観的な評価が可能です。行動のエビデンスに基づく評価は被評価者にとって納得できるものです。
コンピテンシー評価を行うことにはメリットがありますが、一方で気を付けなくてはいけないこともあります。重要な点を二つ上げると、適切なコンピテンシーを評価基準にすることと評価者に対して適切な評価訓練を行うことです。
評価基準となるコンピテンシーと成果との関連が見出せない場合、基準自体の見直しが必要です。また、適切なコンピテンシーが評価基準であったとしても、評価者が被評価者を常日頃から観察していなければ適切な評価はできません。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員