ユニクロなどの大手企業の賃上げのニュースをよく見かけます。利益上昇に比例しない形式での賃上げは社会貢献でしょうか?経営者の無謀でしょうか?将来への投資でしょうか?
ここ数年の物価上昇もあり、各社で一時金支給や賃上げを検討している、実施を決めたというニュースが多くなっています。コストアップを商品価格に転嫁できるような大手企業さんだからできるという意見もあります。中小企業はなかなかそこまで対応できていないのが実情です。
経営者である限りは、単なる社会貢献や流行りにのった無謀な策として実行などしないでしょう。従業員のモチベーションがアップし定着率も上がる、生産性の向上が期待できる、求人に効果が出るからこそでしょう。しかしよくみると賃上げニュースだけでなく一方でリストラを実施し一時的に損失を出しても将来的にコストを軽くしていく、採算がとれない部門の縮小・廃止や高齢者の雇用施策の変更なども当然行っています。早くも来年には賃上げアップのペースは下がるとの予測も出始めています。
単なる賃金アップだけでは、競争に勝ち抜けないのです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長