今年の4月に就職難だった2010卒の学生が入社してきます。こちらの対応も変えたほうがよいのでしょうか?
就職難の年の入社組だからといって対応を変える必要はありません。厳しい環境下で選ばれた(選んだ)人材たちです。数ばかり追いかけたバブル時よりは優秀な人材のはずです。会社としての期待度が高いことをまず伝えましょう。
但し、入社後の育成方法については昔とは違う扱いをしなければならないことは確かです。これから多少景気が回復してきてもこれは同様です。
短期間の入社後研修を経て現場に配属、後はOJTにお任せでは今の若手は育ちません。いやついてこれません。今の若手は、組織の中で上下関係も含めいろいろな階層の人たちつまり価値観の異なる人たちと付き合うことが苦手です。自分が組織(チーム)の中でどういう役割と期待を担っているのか自覚できるようになるまではひと手間もふた手間もかかります。小さな成功でも大いに褒め、失敗も次の成功につながるよと激励する、こうしたことの繰り返しが必要です。上司の日常の指導だけではなく、直接業務に関係していない会社の先輩、同期とのつながりを持たせてメンター的な対応をさせて下さい。優秀な人材が突然折れてしまうことのないようにしたいものです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長