社員表彰制度を導入したが、いつも同じ社員ばかり表彰されてしまって、形骸化しつつある。どう改革すべきかご教示ください。
社員のモチベーション維持のためにも社員表彰制度はあった方がよいと思います。表彰制度で大切なことは機会均等と評価の客観性です。対象の部署のメンバー全員が頑張れば受賞のチャンスがある賞になっているか、そして達成した結果について客観的に評価判断を下せるように基準設定がなされているかです。
非営業部署のように数字で業績が把握できない部署が対象でも確認項目を作成し達成度合いを数値化して判断する必要があります。通常の人事評価時にある勤務状況などの人為的評価要素はなるべく外した制度にするべきです。
営業部署の達成数字ばかりを基準にした制度では、販売しやすい商品や継続顧客を囲い込んだ営業部員が常に好成績を挙げて受賞し他の人にはチャンスなしということになりかねません。こうした受賞者の偏りが出る場合は、表彰制度そのものではなく、特定の人に依存した営業体制、営業組織として効率的に結果を出す組織になっていないという問題があるケースが多いようです。むしろそちらの見直しが急務でしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長