賞与決定のためにプロセス評価をすると、個人的にはどうしても主観的な評価が多くを占めています。数字ではなくプロセス評価は主観的でかまわないのでしょうか。
評価の本質は意欲形成です。この目的に適う評価であれば問題はありませんが、主観的評価は、ほとんどの場合ダメです。
例えば、上司と相性が悪いと感じている社員が低い評価をつけられたとします。評価フィードバック時に、低い評価となった理由をエビデンスとともに説明されれば、納得して前向きな気持ちになれます。しかし、明確な根拠も説明もない場合は上司への不満だけが大きくなり意欲を低下させます。
アメリカの心理学者ハーズバーグは、不足すると職務不満足につながる要因を衛生要因と名付けました。衛生要因は満足感にはつながりませんが、失敗するとマイナスの影響を与えます。賞与評価は衛生要因の筆頭にあげられます。
プロセス評価は、日々の観察と記録が重要です。 さらに重要なのは、部下からこの人に低い評価をつけられるのなら納得できると思われる上司となることです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員