ポジションへの公募制や新しい企画募集など、色々と社員を参加させる試みを最近増やしているのですが、結局いい人が応募してこない、いい意見が無いなどの理由で何も採用されないため、逆に社員に不満が増えているのではという気がします。やめてしまうべきでしょうか。
続けて下さい。止めてしまっては、もったいないです。
まず公募前に、応募に値する人、案件の採用条件を明確にして下さい。募集ポジションに要求されるスキル、経験値、本人のやる気度など。企画案の場合は、新規企画案か新事業案か、事業規模や実現可能性度合などです。企画案の場合は応募条件をクリアしているのに採用に至らないなら、どこが欠けているのか説明して下さい。点数を付け、順位付けするのも次の応募の際の参考になるでしょう。
条件が明確なのに応募内容が今一つなら、そもそも社員が自分の仕事の棚卸や市場の動向や変化をみながら改善点を考えるということができていないのかもしれません。PDCAサイクルが機能してますか、ご確認を。 また、結果に対してきちんと社員が納得できる説明をしませんとポジション公募制や企画募集が浸透しません。単に該当者がいなかった、採用するレベルの企画がなかったというだけでは納得感がないので、どうせ応募しても無駄という無関心層を増やすだけです。
なおポジション公募の場合には、適性のある人が応募してきたら所属する現場の上長が反対しても異動させてあげること。企画案が採用された場合は、応募者をその企画の担当にさせるなどを明確にして、応募へのモチベーションを上げる工夫もして下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長