なぜインターンシップで選考を行ってはいけないのでしょう。就業体験を通して入りたいと思う学生と、採用したいという企業側とはwin&winの関係だと思うのですが。今の採用の枠組みは本当に学生のためになっているのでしょうか。
ご質問者のおっしゃる通りだと思います。就業体験を通して企業を理解した上で応募したい学生と、そうした体験を通じて自社をよく理解したくれた学生を採用したい企業にとってはインターンシップは非常に良い機会のはずです。ところが、現状では「行き過ぎた青田買い採用の是正」というお題目のために、学生と企業の接点がすべて否定的に議論されています。その一方で「就業力」アップのための大学での早期からのキャリア教育が叫ばれているのですから、どういうことでしょうか。
現状の新卒就職(求職)の枠組みは、春の4月一括入社制度が変わらない限りは変革は難しいと考えています。インターンシップを通じて実力の認められた学生は、在学中でも入社を認める、あるいは、中途退学して入社しても学卒者と同等の待遇で迎えるといった柔軟な採用形態が進んで来ることが必要でしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長