政治家に必要なリーダーシップとは何だとおもいますか。また、なぜ今の政治家には欠けているのでしょうか。
リーダーシップは一言で「この指とまれ」って行為です。目立つことであり、他人を誘導する影響力を有言・行動で行使します。それに賛同する人が多ければ優れたリーダーシップを発揮していると言えるでしょう。
政治家でもそれは同様で「自分の方針はこれだから賛同して欲しい」と「国民」に対しておこなう行為であり、何をやりたいかを明言して旗揚げすることが始まりとなります。
今の政治家に欠けているかどうかは解りませんが、発揮しにくい環境であることは確かです。
高度成長期からバブル景気までの日本なら税収も人口も増え続け「余ったお金の使い道」の分配をどうするかが政治の中心でした。これは相対的に多少の不利益があっても国民全体の生活の質は向上しつづけたからです。政治家は多少自分の好き勝手をやっても国民全体の不満は上昇しなかった。表面上リーダーシップがあったように見えたのでしょう。
バブル以降の政治は減る税収、経済に中心からどんどん離れる日本、少子化による日本全体の構造の変化の中で何をやってもどこかに痛みが伴い、票田のしがらみから大きな決断が出来ない状況が作られます。そして街頭演説をしていた内容すらねじ曲げて国民に犠牲を強いるのだから国民から見てリーダーシップが無いように見えるのは当然です。
民主主義の政治のレベルは国民の民度で決まるとも言います。国民一人一人の政治参加意識が高まれば、またリーダーシップの見え方も変わってくるでしょう。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役