いわゆる不人気業界である為、母集団が非常に少ないと感じている。母集団を一気に増やす方法はありますか?
採用の最終目的は、必要な人材を必要な数だけ採ることです。母集団の段階で人数が多くても、志望度の薄い学生、力不足の学生ばかりで採用に繋がらないのでは意味がありません。母集団を一気に増やすのではなく、不人気業界にある御社に対しても興味を持ってくれる学生を確実に増やしていくことの方が賢明です。
まずは、学生に不人気の要因を整理して下さい。それに対して既存の若手社員(特に入社5年目未満)が入社する前と入社後でどうイメージが変わったかをヒアリングしてまとめて下さい。変わらないものもあるかもしれませんが、入社して働いてみると、学生の視点がいかに未熟なものが多かったかと気づくはずです。不人気業界であっても少なからず興味を持ってくれた学生の興味・志望度合を深め入社意欲まで高めていくには、こうした若手社員の生の声を伝えるのが最も効果的です。
生の声を伝える手段としては、自社での会社説明会はもちろんですが、社員が出身大学の会社説明会やOB・OG懇談会に出て後輩に話をしてくる方法が良いでしょう。前年入社の新人が必ず出向いて話をしてくるということを地道に継続すれば徐々に母集団の数、質も上がってくるはずです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長