新入社員より、入社後のOJTが厳しすぎると意見があがりました。実際に話を聞いてみると、新入社員一人と先輩社員一人で車の中で3時間説教をずっとされるなど度を超えた対応をしているようでした。社員に自分の感情をコントロールするよう教育するにはどのようにすればよいでしょうか。
OJTは、先輩社員が付きっ切りで指導することではありません。実務を通じて業務に必要な知識や手順を教え、仕事に取り組くむ上での基本を教えるものです。
仕事には成功への唯一の正解手順があるわけではなく、場合に応じた対応が必要です。
座学や集合研修では失敗や成功を体験できません。実務の中で痛烈なショックを経験することで仕事を覚えていくものです。
「社員に自分の感情をコントロールするよう教育する」とお書きですが、先輩社員についてのことでしょうか。新人の出来ないことを目の当たりにすると、自分の新人時代のことを忘れて、一方的に「研修でやっただろう、この前教えただろう」と叱り口調で延々と説教する先輩は確かにおります。
いまの世代の新人は、潰れやすいとも言われています。ベテランの先輩社員のきつい説教よりは若手の社員にメンターとして社会人生活全般をカバーして面倒を見させ、業務上の指導は「どのポイントがまずかったと思う、君だったらどう対処するかな」というように新人に答えを考えさせるように質問形式で振り返りのアドバイスをするやり方が合っているのではないでしょうか。従来型のOJTの内容から見直してはいかがでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長