適性テストの結果を自社内で分析しました。 退職者の傾向が、優秀者の傾向とも重なるところがありました。 選考の段階ではどちらを優先すべきか、またどう解釈した方がいいかアドバイスをお願いします。
職務の高業績者に特有の傾向が見られることは一般的なことです。それは職務ごとに、成果創出のための必要な判断と行動があるからです。一方、退職者に特有の傾向が見られることは必ずしも一般的なことではありません。退職の理由は人それぞれだからです。
退職者に傾向が見られたということは、ある傾向を持つ(持たない)人の退職を誘発する職務や環境が存在するということを意味しています。これが会社の人事戦略に則った施策であれば問題ありません。退職者傾向は無視して、優秀者傾向を基準に採用すればよいのです。
しかし、意図せず現環境が作られていたとしたら、退職を誘発する原因の究明と退職防止策の導入が必要となります。この場合も優秀者傾向を採用基準とすべきですが、退職者傾向を持つ人は退職リスクが高い人と考え、個別のエンゲージメント強化を実施する必要があります。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員