就職活動の時期を遅らせる理由の一つとして留学の数を増やすという目的があったかと思います。海外に留学する日本人を増やすにはどのような政策が有効とお考えですか。
最近の調査結果【産業能率大調べ】で「海外で働きたいとは思わない」と考える新入社員が63.7%に達し過去最多だったと発表されました。
グローバル化がこれだけ叫ばれる中で、海外志向が下がっているわけですから現状のままで単に数を増やそうと思っても厳しいでしょう。
いまの一般学生に、あえて海外の大学に留学することの意義が感じられなくなっているのではないでしょうか。インターネットを活用すれば、語学の習得や海外の大学の講義をネット上で学ぶことも可能性です。また卒業後の就職を考えるといまの日本の就職システムでは海外留学はかえってマイナスと考える学生もいるそうです。
現状のような学生側の意思に基づく海外の大学への留学制度ではなく、日本のどの大学に入学しても日々の講義が英語で行われかつ単位として海外の大学に一定期間留学することが必須になることが一番の早道ではないでしょうか。実際に海外での勉強、生活を経験すれば、もっと本格的に勉強するために海外の大学に正式に入学したいと思う学生が増えるはずです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長