ダイバーシティ・マネジメントができる人材について教えてください。
ダイバーシティといってもその企業さんがもっとも優先的に取り組むべき課題はいろいろあると思います。多様性も、女性の活躍分野を広げたい。海外の優秀な人材を活用していきたい。若い層を経営に参加させたいなどの性別、年齢、民族など識別できるものから、個人の生き方、考え方、パーソナリティ、スキルといった内面的なものも含まれます。
また「ダイバーシティ・マネジメント」は、企業の中で多様性を生かし企業価値創造につなげていこうという組織マネジメントでもあります。
個々人のマネジメント能力も大切ですが、会社全体、組織として機能させていくというトップの方針と実行プランが必要です。女性の活躍のために女性管理職を何%に、外国人人材の活用のために何人採用といった数値目標があればOKというものではありません。
「ダイバーシティ」が当たり前の会社にしていくのですから、本来は「ダイバーシティ・マネジメント」と意識する必要もないということです。御社の中のマネジメントができる人材に、ここだけは注力するようにと指示すれば問題ないはずです。
あとは、そのダイバーシティ・マネジメント担当が現場組織の中で浮いてしまわないように経営陣が守ってあげて下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長