少し注意をしただけでひどく落ち込んで悩みすぎてしまう部下がいます。このようなタイプの部下に指摘をする際のコツみたいなものはあるのでしょうか。
この手のタイプの人は、上司や先輩からほめられた経験がなく(あるいは少なく)、叱られたことばかり覚えている場合が多いです。上司が近くに寄ってきただけで、また叱られると身構えてしまいます。
まず、日頃から近づいて差しさわりのない内容で声掛けをします。「今日は寒いね。風邪ひかないでね。」「昨日の休みはゆっくり休めたかい。顔色良いけど」「最近、趣味の○○の調子はどう?」……
何でもOK。身構えず会話できる素地を作って下さい。
少しの改善、成果を皆の前で(大げさに)ほめます。「前よりだいぶよくなってきたよ。」「結果はこれからついてきそうだね。」「他の人にも参考になりそうだ。」 10ほめて1注意ぐらいの感覚で。
そして注意するのは必ず1対1で。かつ失敗したという結果を責めるのではなく、どこに原因があったのか、次はどうするかを本人の口から説明させて下さい。
皆の前で注意する場合は、事前に本人に「これは他の人にも当てはまることなので、次の会議で話題にするけど君も承知しておいてね」ぐらいのことを説明しておきましょう。
ここまでの配慮をしても改善されないのであれば、本人が甘えているか、能力がないかのどちらかでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長