社員の福利厚生面に対する不満を解消するためにはどうすればよいか。1人だけの待遇を変えるわけにはいかないため、全体的に変えることが必要になるためそう簡単には変えられない。福利厚生に手を加えられない場合、何をするのが得策か。
福利厚生といっても様々な面があります。法律で定められた法定福利厚生とそれ以外の法定外福利厚生がありますが、後者は企業ごとに福利厚生の内容が異なるため、社員の方から他社の制度と比較してさまざまな不満が出ることがあります。おっしゃるように一人一人に聞けば、それぞれから不満、要望が出てきます。それならばと全面的に変えても不満はゼロにはなりません。
経営的な側面から会社として手を加えられないのであれば、トップ自らが、その理由を述べ、どんな変えることができない壁があるのか、その壁を解消するにはどのような施策が必要で全社の協力、理解がいるかを懇切丁寧にかつじっくりと説明していくしかありません。コスト面を前面に出すことはマイナスです。
働き方改革では、働く社員の仕事意識の改革が必要ですが、会社側も社員が働きやすい福利厚生措置の充実を図らなければなりません。有為な人材が会社から離れていくことを防ぐためにも常に改善の努力していくことが事業継続のキーです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長