タレントマネジメントではアセスメントに多額の費用がかかる。予算を割くことが出来ない企業はどのようにタレントマネジメントに取り組めばよいか。
タレントマネジメントとは、タレントマネジメントシステムを導入し、全社員のアセスメントデータをデータベースに入れることなのでお金の無い会社には不可能、と出入りの人事コンサルタントが言ったとしたら、その人は即出入り禁止にしてください。まさかとは思いますが、人事部員でそんなことを言う人がいたとしたら速やかに異動の発令です。
さて、タレントマネジメントとは何かを改めてご説明します。
経営/事業戦略を遂行するためのあらゆる人に関する取り組みをタレントマネジメントと言います。加えてタレントマネジメントには二つの特徴があります。一つ目は人を単なる労働力と捉えるのではなく無限に成長していく才能と捉えることです。才能=タレントです。従業員一人ひとりの資質に注目し、才能を見出し、開花させ、それを自社の発展に永続的に活用するのです。
二つ目はビジネス成果の創出を目的とすることです。社員の成長も意欲形成も職場コミュニケーションの円滑化もメンタルヘルスの向上、働き方改革も目的ではなく手段なのです。改めて申し上げますが、経営/事業戦略をうまく遂行し、成果を生み出すための人事施策をタレントマネジメントといいます。
タレントマネジメントを行うためには、自社の戦略遂行を阻害している「人に関する問題」を定義することから始まります。アセスメントやシステムはやることが決まってから使うデータやツールに過ぎません。必要なければ使わなくても問題無し。お金を全くかけずともタレントマネジメントは出来ます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員