マネジメント層が業績重視になっており、部下育成の視点が弱い。マネージャーの人事評価制度に「育成」という項目が入っていないという問題もあるが、一朝一夕では制度は変えられない。マネージャーの意識改革で、人事としては何ができるでしょうか?
マネージャーの意識改革ではなく、経営層の意識改革が必要なようです。
変えられない制度などありません。思い切ってマネージャーの人事評価項目に「育成」を入れて下さい。
評価項目は、最近の事業の内容の変化やその時の組織の状況などに応じて変更していくべきものです。頻繁に変えては社員からの信頼を損ないますが、測定方法やフィードバック内容などが客観的なもので現状のマネージャー層の立場、評価の否定につながるものでなければ問題ありません。
360度評価などのアセスメントを実施すれば、指導やフォローについての育成面での回りの評価も測れるはずです。また、チームメンバーの業績評価、アセスメント結果からそれぞれのチームで活躍する人材タイプに差があるのであれば、マネージャーの育成手法の差によるものと推論できます。自分の選んだ部下だけでチーム編成するわけではありません。異なるタイプの部下の能力を成果に結び付けるように育成するのが、マネジメント力です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長