従来人の目のみの自由な採用を行ってきましたが、採用戦略を考えた結果、適性検査から採用要件を決め進めることにしました。 しかし現場から「多様性が大事」「要件を決める必要はあるのか」とやり方の変化に対する反発が出ています。現場社員にも納得してもらうためにどのようなことを伝えたらよいでしょうか。
まず何をもって多様性なのでしょうか?
うちの会社は個性的とか言う人はよく見かけますが、そういう人ほど人事のセンスゼロだと思います。人は一人一人違います。人をよく見る(観察)努力や訓練もなく氷山の一角を見て人間を判断しようとする文化、価値観がそうさせるのです。ようは個性という意味からはみな多様なのです。
じゃあ何の多様性が必要なのか?
価値観?学歴?経歴?性格?しっかり測定して、何の多様性が必要なのかよく議論してください。
そしてその仕事に対する行動において多様性が必要ならばテストは必須です。人の目などで検証はできません。
また採用要件を明確化することと多様性は別の問題です。
プロ野球選手が走攻守において一定基準があります。そこに基準なしに渋谷のハチ公前(母集団は山ほどいる)から人の目だけで選んできた人のチームが勝てると思いますか?
多様性確保とのためにも、採用の精度を高めるためにも基準は必要です。断言できます。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役