いわゆるアフターコロナの企業の採用状況はどのようなものになると予測されていらっしゃいますか。
アフターコロナという状況が生まれるのかも定かではありません。当面あるいは3年~5年はコロナと付き合っていくWithコロナの状況が続くかもしれません。職業観、企業観も変わってくるでしょう。花形だった航空業界や観光業界が厳しい状況となっています。グローバル化の最先端企業がかえってそのグローバル化で苦戦しています。当然企業選択の価値観が変わります。
新卒一括採用も、短期集中ではコロナ波が来た時に対応できません。コロナでテレワークが進んでいるように採用選考でもWeb方式が中心となって通年型採用に近づいていくのではないでしょうか。中途採用は、完全にWeb主体になります。履歴書、職歴書の中のキーワードでスキル、職務能力をAI判定しつつ、Web適性検査で面接資料を作成、Web面接で確認、というプロセスになるでしょう。応募者側も、企業選択のポイントが変化してきます。
新卒学生は、企業規模やブランドではなく、自分に合った仕事を選ぶという観点から業界、企業規模での絞り込みをせず、業界バラバラのインターンシップ参加、エントリー応募になっていきますし、中途応募でも同業界、類似業界への転職ではなく、別業種、異業種への転職比率が上がっていきます。
激変する社会では、いまの主要業界が今後も安定している保証はありませんし、むしろ今こそやりたい仕事をやれるチャンスと捉える人が増えるからです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長