コロナ禍でテキストコミュニケーションの重要性が高まっています。どうすればテキストコミュニケーションの能力を上げることができるでしょうか?
久しぶりにいただいた難問です。テキストコミュニケーションとは、近年コミュニケーション手段として多用されるようになったチャットなどで文字を使って意思疎通を図ること、です。
自らの意思を伝えるためには、適切な用語、用字、文体に加えて、受け手に対する理解が必要です。文章は詳細過ぎても、まとめすぎても伝わりません。ちょうどよくわかる詳しさ(簡潔さ)で、相手が誤解しない言葉を使って、こちらの意思をはっきりと伝えます。受け手に対する「配慮」ではなくあえて「理解」と申し上げている理由は、文章表現における配慮というのは、婉曲的な表現や曖昧な表現によって誤解を生み出してしまうものにもなり得るからです。テキストコミュニケーションの初歩的な訓練はローコンテクストを意識して日本語を書くことなのです。
しかしながら、優れた日本語表現は含蓄によって成り立っています。すべてを説明する明け透けな日本語表現は品格を欠いたものになってしまうことを付け加えておきます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員