リモートワークを導入後、モチベーションの維持のために面白い取り組みをしている企業があれば教えてください。
リモートワークにおけるモチベーション向上のための代表的な施策を2つ申し上げます。
- 施策1:
- 全社員に個別のKPIを設定し、評価と育成をすべてオンラインで対応できる仕組みを導入した。
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この施策の優れているところは評価です。適切な評価は社員のモチベーションを向上させます。評価はモチベーションをコントロールするために存在しているのですから当たり前です。実施した内容は、社員に対して個別のKPIを作成すること、オンライン完結できる評価のシステムを導入すること、加えてオンラインで完結するトレーニングを導入すること。
リモートワークでは上司が部下の仕事ぶりを直接見る頻度が減るため、評価のためのエビデンスがとりづらくなります。エビデンスが不十分な中で評価すれば、その評価に対する部下の納得感は下がります。納得できない評価はてきめんにモチベーションを下げます。
対策として担当業務に応じた個別のKPIを設定すれば、部下は何によって評価されるかがわかり、上司も常に部下を見ている必要が無くなります。上司が必要な情報を正しく収集すれば客観的に評価できます。
- 施策2:
- リモートワークによって失われた社員間コミュニケーションを活性化するための施策を導入した。
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リモートワークで明らかになった課題の筆頭が社員間コミュニケーションです。出社していれば簡単にできる隣の人との何気ない会話、他部署の人との思いがけない会話、顔色を見ながら感情を読む会話、気分を盛り上げるための集団での会話、新しい発想を生み出す激論などができなくなってしまいました。インフォーマルなコミュニケーションつまりは雑談を失うことが会社やチームや同僚との心のつながりの希薄化につながってしまうことを我々はコロナ禍の経験で学びました。
導入したコミュニケーション施策は、オンライン1on1ミーティング、バーチャルハッピーアワー(オンラインによる懇親会)、バーチャルコーヒーブレイク(オンライン休憩室)、バーチャルクラブ(オンライン部活動)です。これらはすべて雑談を活性化するための施策です。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員