仕事や勉強など、何事についても「質か量か」という議論があると思います。「量をこなせるようにならないと質を追求できない」という考えを部下に伝える際、できるだけ根性論の雰囲気を出さないように、上手く伝えるにはどのような工夫が考えられるでしょうか。
スキルの高さは練習量によって決まります。量をこなすには時間とエネルギーが必要です。本人に時間とエネルギーを投入する意志がなければスキルの向上は不可能です。これが根性論だとすると根性論をそのまま伝えるべきであり、雰囲気を出さないような工夫は無意味と考えます。
少ない練習量で質を高められると考えている人は、今までの人生で一度も高いスキルを獲得したことのない人です。経験がないので練習量の重要性に気付いていないだけなのです。このような部下に対して行うべきことは二つです。一つ目は能力開発の意志があるかどうかの確認です。意志がなければ能力向上は見込めませんので、既に持っている能力を使って出来る仕事をさせましょう。二つ目は能力開発の意志がある人に対して行うことです。練習量の重要性を伝えます。身の回りにいる人の実体験を伝えましょう。外国語を習得した人の話などはとても参考になるはずです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員