組織風土がその企業の業績などのパフォーマンスに少なからず影響を及ぼしているという研究結果があるが、「人材」はどのような形で組織風土に関係しているのか、また組織風土の変革が必要となる場合、どのような人事戦略的アプローチが適切なのか。
組織風土は組織の価値観です。目には見えませんが、社員の行動に大きな影響を与えます。価値観は好き嫌い、適否に関わるものです。善悪、正誤とは全く関係ないのですが、組織内では、あたかも善悪や正誤を決める基準のように働きます。組織風土になじんでいる人は、普段全く組織風土を意識することがありません。自然に振る舞えば組織風土に適した行動がとれるからです。そんな人も組織風土を意識することがあります。よそ者が組織に入ってきて、自分たちとは異なる行動をとる時です。悪いことをしているわけでも非効率なことをしているわけでもないよそ者に対して、自分たちと同じ流儀で行動しないだけで、嫌悪感を持つのです。組織風土を作っているのは組織構成員の好き嫌いの感情なのです。
組織風土改革が必要な時の効果的な方法は、ツイッター社でイーロン・マスク氏がとっている方法です。上から人を入れ換えること。従業員の既得権を奪うこと。ツイッター社がどのように変化するかをよく見ておいてください。組織風土改革の注目すべき事例であることは間違いありません。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員