上層部から「多様性」を踏まえた採用をするようにと言われました。「多様性」とは何を考慮して、どのように採用を行えばよろしいでしょうか。
多様性を個人の属性に関連するデモグラフィック・ダイバーシティと個人の認知に関連するコグニティブ・ダイバーシティの2つに分けて考えてください。
デモグラフィック・ダイバーシティは、性別、人種、国籍、年齢、障害の種類と有無などに関する多様性です。コグニティブ・ダイバーシティとは、認知的多様性のことで、価値観や考え方、能力や性格的な特徴に関する多様性です。
貴社の上層部は、なぜ多様性を踏まえた採用をするよう指示したのでしょうか。多様化させる目的は何でしょう。この点がはっきりしないのなら人事部としては目に見える多様性を重視してわかりやすく人事部の成果を表現しましょう。男女比率、外国人比率、採用者の年齢分布を今までとは明らかに変えてしまえば、多様性大成功とアピールできますよ。
何を考慮してどのように採用をすればよいかの前に、なぜ多様性を踏まえる必要があるかをはっきりさせる必要があることはおわかりいただけたのではないかと思います。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員