サクセッションプランに取り組むにあたって、人財育成会議体がないまま取り組んでいる。経営層や各部門トップを一堂に会して話し合ってほしいが、あまり強く言えない。他社はどのようにして経営層たちに協力を仰いでいるのか知りたい。
他社の事例をお聞きすると、やはりトップからのメッセージが一番大事だという気がします。
トップの指示でということだけではなく、日頃経営層が協議している会社の課題のなかに人材に関する事項が必ずあるはずで、会社の成長戦略を考えるうえでは、人事戦略、人事構想が大切であるということを共有できるような経営組織になっていることが必要だということです。
せっかくサクセッションプランに取り組もうとしても、人事担当役員と人事部門だけが先行していくような流れになっていてしまっては実行が難しいでしょう。
会社の将来の成功にむけてのサクセッションプランということでオープンな対話と情報共有していくという姿勢をしっかりみえることが必要です。
まずは、トップのお墨付きと各部門トップの要望も組み入れたかたちでサクセッションプランを策定していくことの方がスムーズにすすむものと考えます。
競合や他社事例を参考に取り上げながら各部門にサクセッションプランの成功が与えるポジティブな効果を具体的に示すことにより、実行するうえでの動機付けを高めることにもつながります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長