社員にアセスメントを受検させ、能力開発を目的に使用しています。ある社員で、営業職のキャリアを希望しているが、アセスメントの結果では別の職種への適性が高く出ています。経営方針の観点では即戦力化が見込める職種へ異動させたいのですが、それによるモチベーションの低下が起きないか不安です。どうすればよいでしょうか。
「適材適所」といいますが、ポイントは本人がモチベーションをもってその業務を遂行できるか、そもそも本人にその適性があるのかという点です。本人の一方的な希望だけで、逆に会社側の判断だけで一方的に決めてもうまくいきません。
営業職のキャリアを希望している方が、実際営業職で成果を出しているなら希望に沿うかたちの方が良いのではないでしょうか。営業職でうまく成果が出ていないようであれば、アセスメント結果を参考にしてキャリアチェンジを勧めるということは有意義かもしれません。
基本的には、双方の考え方をしっかりと説明、理解するコミュニケーションが必要だということです。経営方針の観点から即戦力化が見込めるとお考えになっても、営業職での経験、知識をすぐに生かして即戦力として働けるものでしょうか。本人もそういう不安を持つはずです。
アセスメント結果ですぐに異動対象とするのではなく、アセスメント結果をフィードバックしたうえで、キャリアチェンジをどう考えるか、異動の時期、異動先の受け入れ体制などに要望はあるかなどじっくりと時間をかけてすすめて下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長