現代の若者は昔に比べ、根性(我慢強さ)がなくなったと思いますか?
いまの若者は……、昔の若者は……、と論じたくなるのは、自分が年をとった証拠でしょう。
過ごした時代背景、社会環境が違うのですから、比較することにそれほどの意味はないでしょう。自分たちと同じであってほしいと望むのも自分勝手ではないでしょうか。
この夏のパリ五輪で日本は、海外開催の五輪では最高のメダル数獲得となりました。いまのアスリートには根性があるから勝負に勝てたのでしょうか。以前はなかったボード系やボルダリング系、ブレイクダンスなどは別にして、体操、柔道、レスリング、競泳、バレーボールといったかつてお家芸と言われたような競技でも結果はいろいろでした。笑う者もいれば泣いた者も。
残業を嫌がる、早期退職する若者が多い、少し叱るとすぐ辞める、長年の修行が必要な技術を学ぶ人が減ってきている……等々を持ち出して根性論に結び付ける人もいますが、それは違うでしょう。
それぞれ個々人の考え方を尊重する時代であり、それを社会がどう生かしていくかが問われている時代なのです。残業過多のブラック企業は社員から見捨てられます。
いろいろなことにチャレンジし続けること、もっとおもしろそうなことが見つかったら躊躇せずに選択していく、これは我慢強くないからではないのです。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長