即戦力採用したが、当社の職務には専門知識が必要なこともあり、なかなか職務に慣れない社員がいます。既に経験がある人材を採用すればよいのですが、業界がニッチで経験を持つ人材が市場になかなかいません。入社後の育成に力を入れるしかないでしょうか。
前提としては、専門知識がある即戦力者は、転職市場に出てこないので難しいということのようです。そうであるなら、経験が浅くても職務に慣れてもらうように育成プログラムを変更して対策していくしかないでしょう。
オンボーディング、特に入社直後からの専門知識やスキルを集中的に学べるプログラムを用意します。不安がある新入社員に対しては、経験豊富な社員をメンターとしてつけ、日頃からサポートできる体制を作ります。その後も定期的にスキル向上のために研修を行い、他の社員も含めて全社的にスキルレベルを上げていく仕組みを作って下さい。ニッチな業界とおっしゃっていますから、専門分野の情報の交換や技術改革のために他社との交流会やワークショップに参加してみるのも効果的かもしれません。
育成に時間がかかるこの状況をプラスに捉え、社員が時間をかけて専門知識を習得できる環境だと受け止めてくれれば、退職者も減少し組織全体の知識、スキルが向上していき御社にもプラスとなるはずです。
なお、優秀な経験者をいつでも受け入れますという姿勢は、常に外部にPRしておきましょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長