モチベーションリソース:個人の原動力を理解し、成果を最大化する
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適性としてのモチベーションリソース
職務適性を予測するためにパーソナリティや知的能力を用いることは一般的になりました。しかし、成果を最大化する上では、モチベーションの存在も無視することはできません。SHLグループでは、モチベーションリソース(個人を動機づける要因)の個人差を測定する意欲検査MQを提供しており、ポストや職種への適性を検討する際に、モチベーションリソースを考慮することで予測力が上がることを示しています。たとえば、経営リーダーのポテンシャルが高い人材のことをハイポテンシャル人材と呼びますが、彼らは知的能力やパーソナリティだけでなく、特有のモチベーションリソースを持っていることが示されています(ハイポテンシャル人材について詳細な資料はこちら)。そのポストや職務に付随する要因によって、モチベーションが上がる(もしくは、下がらない)という傾向も、重要な適性の一つと言えるのです。SHLグループは、基礎的な動機づけ理論を含む様々な学術研究と、大規模データによる妥当性調査をもとに、18個のモチベーションリソースを測定する意欲検査MQを開発しました。これによって、①個人を強く動機づける要因(やる気を起こさせる要因)、②個人の動機づけを損ねる要因(やる気をなくさせる要因)、③いずれの効果も与えない要因を特定することができます。

意欲検査MQを使ってできること
意欲検査MQを使ってモチベーションリソースを測定することで、下記のような施策が可能になります。①職務/ポストと個人のマッチング
個人のモチベーションが上がりやすい職務・ポストへとアサインすることができます。パーソナリティや知的能力によって予測されるコンピテンシー×モチベーションリソースの合致が最大になる職務が、もっとも適性のある職務と考えることができます。
②モチベーション管理
現在の職務においても、求めていることを知ることで、モチベーションを最大化することができます。たとえば、他者からの認知、報酬、知的好奇心、自身の成長・・・など、個々人をモチベートするために重要な要素を職務にうまく組み込むことで、効果的な動機づけが可能です。これは、新入社員のオンボーディングにおいても効果の大きい施策です。
③1on1ミーティングでの活用
個人のコンピテンシーポテンシャルなどを表すパーソナリティ検査(WebOPQや万華鏡30)と同様に、MQも1on1ミーティングへの活用が可能です。MQの結果を適切にフィードバックすることで、「何に向いているか」だけでなく「何が自分を動機づけるか」という観点で、今後のキャリア展望をディスカッションすることができます。

MQは「今」求めているものを表す
パーソナリティは経年によって極端に変化しないことは良く知られています。しかし、モチベーションリソースは個人の状況によって変化することがあります。それは、モチベーションは欲求が満たされると不活性化する性質があるためです。水を飲みたいというモチベーションは、水を飲めば満たされ不活性化するように、権力を手に入れたいというモチベーションがある時点で高かったとしても、その後満足する程度の権力を手に入れたら、権力に対するモチベーションは減退する可能性があります(代わりに、次は別のモチベーションが活性化するかもしれません)。したがって、モチベーションリソースは一度きりではなく、キャリアの節目が訪れるたびにアセスメントしなおすことをお勧めします。意欲検査MQに興味を持たれた方は、ぜひこちらから資料をDLしてください。

このコラムの担当者
佐藤 有紀
日本エス・エイチ・エル株式会社