ハイポテンシャル人材(2)
公開日:2020/11/24
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前回のコラムでは、ハイポテンシャル人材プログラムの失敗は誤った人材の選抜に起因していること、正しく人材を選抜するには高業績者の中からハイポテンシャル人材に求められる3つの要件を持つ人を見極める必要があること、について申し上げました。
今回は、ハイポテンシャル人材の選抜基準となる3要件について詳しくご説明します。
SHLの調査でアスピレーションと関連するモチベーションリソース(意欲源)とコンピテンシーが明らかになりました。この調査では、世界のビジネスマン43万人を対象に経営幹部になった人とそうでない人の違いを調べました。経営幹部になる可能性の高い人は6つのモチベーションリソースと2つのコンピテンシーで高得点をとることがわかりました。

モチベーションリソースの6因子はモチベーション検査MQによって測定できます。
SHLはマネジャー・リーダーの役割を4つ定義しました。
・ビジョンを作る:しっかりとした推論に基づく明確なビジョンを作る
・ゴールを示す:みんなをやる気にさせ、方向性とゴールを示す
・サポートする:うまくコミュニケーションをとり、変化の中でみんなをサポートする
・成功をもたらす:物事をやり遂げ、目標を達成する。
どのように組織を率いるか(執行型マネジャー、変革型リーダー)により、これらの役割を果たすために必要なコンピテンシーは異なります。具体的な立場が決まっていない場合は、両方のポテンシャルが高い人を選抜することが理想的です。
これらのポテンシャルは、パーソナリティ検査OPQと知的能力検査Verifyの組み合わせによって測定できます。
評価の観点は、現在のエンゲージメントと将来のエンゲージメントです。得られた情報は合理的なものと感情的なものに分類できます。現在のエンゲージメントとは、今の仕事や組織、チームメンバーに対するコミットメントです。合理的なものは成長実感や報酬への満足感など、感情的なものは帰属意識や仲間意識などのことです。将来のエンゲージメントとは、会社における将来のキャリア、会社のミッション、ビジョン、バリューに対するコミットメントです。合理的なものは、今の会社は将来のキャリアに有益という実感など、感情的なものは会社への共感です。
現在と将来のエンゲージメントをアセスメントするための行動指標は以下の通りです。
<現在のエンゲージメント>
・今の仕事に強い関心を示す
・成し遂げた仕事に対する誇りを表明する。
・悪いことが起こっても楽観的に物事を捉える。
・うまくいくように時間とエネルギーをかける。
・必要とあらば、他の人の仕事を手伝うことをいとわない。
<将来のエンゲージメント>
・組織を前向きにとらえられるよう周りを元気づける。
・個人的なニーズや関心よりも、会社や組織を優先する。
・責任範囲外の仕事も買って出る。
・会社と共にキャリア開発の計画を立てる。
・組織および組織の成功に関心を持っていることを示す質問をする。
以上がハイポテンシャル人材に求められる3つの要件とそのアセスメント手法です。
次回は、能力開発とエンゲージメント向上について説明します。
今回は、ハイポテンシャル人材の選抜基準となる3要件について詳しくご説明します。

アスピレーション(上昇志向)
ハイポテンシャル人材は、若い時から強い上昇志向を持っており、常に自分の立場を高める機会を求めます。上昇志向を刺激するような役割や職務を与えれば、難しい仕事であっても意欲的に取り組みます。一方、下働きを長く強いられる環境では、意欲を失い退職するかもしれません。SHLの調査でアスピレーションと関連するモチベーションリソース(意欲源)とコンピテンシーが明らかになりました。この調査では、世界のビジネスマン43万人を対象に経営幹部になった人とそうでない人の違いを調べました。経営幹部になる可能性の高い人は6つのモチベーションリソースと2つのコンピテンシーで高得点をとることがわかりました。

モチベーションリソースの6因子はモチベーション検査MQによって測定できます。
アビリティ(能力)
ここでのアビリティ(能力)とは、上位職に就いたときに求められるコンピテンシーを表しています。SHLはマネジャー・リーダーの役割を4つ定義しました。
・ビジョンを作る:しっかりとした推論に基づく明確なビジョンを作る
・ゴールを示す:みんなをやる気にさせ、方向性とゴールを示す
・サポートする:うまくコミュニケーションをとり、変化の中でみんなをサポートする
・成功をもたらす:物事をやり遂げ、目標を達成する。
どのように組織を率いるか(執行型マネジャー、変革型リーダー)により、これらの役割を果たすために必要なコンピテンシーは異なります。具体的な立場が決まっていない場合は、両方のポテンシャルが高い人を選抜することが理想的です。

エンゲージメント
退職する可能性の高い人材を経営幹部に育てることは、社会貢献につながるかもしれませんが、会社にとっては無駄です。エンゲージメントを把握することで会社にとどまる可能性の高い人を見つけることができます。評価は面接と行動観察によって行います。評価の観点は、現在のエンゲージメントと将来のエンゲージメントです。得られた情報は合理的なものと感情的なものに分類できます。現在のエンゲージメントとは、今の仕事や組織、チームメンバーに対するコミットメントです。合理的なものは成長実感や報酬への満足感など、感情的なものは帰属意識や仲間意識などのことです。将来のエンゲージメントとは、会社における将来のキャリア、会社のミッション、ビジョン、バリューに対するコミットメントです。合理的なものは、今の会社は将来のキャリアに有益という実感など、感情的なものは会社への共感です。
現在と将来のエンゲージメントをアセスメントするための行動指標は以下の通りです。
<現在のエンゲージメント>
・今の仕事に強い関心を示す
・成し遂げた仕事に対する誇りを表明する。
・悪いことが起こっても楽観的に物事を捉える。
・うまくいくように時間とエネルギーをかける。
・必要とあらば、他の人の仕事を手伝うことをいとわない。
<将来のエンゲージメント>
・組織を前向きにとらえられるよう周りを元気づける。
・個人的なニーズや関心よりも、会社や組織を優先する。
・責任範囲外の仕事も買って出る。
・会社と共にキャリア開発の計画を立てる。
・組織および組織の成功に関心を持っていることを示す質問をする。
以上がハイポテンシャル人材に求められる3つの要件とそのアセスメント手法です。
次回は、能力開発とエンゲージメント向上について説明します。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員