コラム

人事コンサルタントの視点

私がDuolingoをやめられない理由

公開日:2024/11/22

世界で最も利用されている学習アプリの「Duolingo」。私も英語の学習のために使い始めたのですが、気が付けば6か月間、一日も欠かすことなくアプリを使い続けています。毎日続けることが得意なのは元々の性格なのでさほど驚くことではありませんが、むしろ最近は勉強しているというよりは、ゲームにのめりこんでいる感覚となっており、目が疲れてしまい、もう止めたいと思っているのに止めることができないという日々を送っています。結果的に毎日2時間以上英語を学習するはめに。
今回は私をDuolingo中毒にしたDuolingoのゲーミフィケーションについてユーザーの視点からお伝えします。

duolingo-portrait-lockup出典:https://www.duolingo.com/

Duolingoとは

世界で数億人がダウンロードしており、月間アクティブユーザーが1億人、有料会員数は800万人を超える語学学習のオンラインアプリです。初心者から中級者まで幅広いレベルの学習者に対応しており、英語やスペイン語、日本語、フランス語など、さまざまな言語を学ぶことができます。最近は音楽、算数の学習もできるようになりました。
ミッションとして、パーソナライズされた学習体験、楽しいオンライン学習、誰もが得られる無料学習機会の提供を掲げ、次の6つのアプローチで学習をデザインしています。
  • 実際に使える外国語
  • ユニークなコンテンツ
  • 暗黙的学習と明示的学習のバランス
  • 自分にピッタリな学習
  • マルチチャンネル学習
  • 止まることのない継続的な改善

Duolingoのゲーミフィケーション

語学学習には継続が必要なので、Duolingoは学習を維持させるための仕掛けをふんだんに持っています。徹底的にゲーミフィケーションを取り入れているのです。継続のための仕掛けには次のようなものがあります。
  • リーグ
    最初に参加するブロンズリーグからはじまりダイヤモンドリーグまで10個のリーグがあります。リーグとはレッスンで獲得したXP(ポイント)を数十人で競うリーダーボードのことで、日本では日曜19時から1週間で開催されます。日曜19時の時点でリーグ上位にいる人が一段上のリーグに昇格、中位の人は同じリーグを維持、下位の人は一段下のリーグに降格となります。上位リーグに行くにはXPを多く獲得する必要があります。つまり学習量が重要なのです。どの言語のどのレベルを学習しているかに関わらず、どれだけ多くの学習をしたかが問われます。
Duolingoには5分程度でできるレッスンがレベルごとに設定されており、一つのレッスンを完了するごとにXPがもらえます。もちろんこのXPでリーグでの競争をするのです。レッスンの種類によってもらえるXPは異なります。
  • XPを数倍にするボーナス
    一定の時間内のみ獲得するXPを数倍に増やすことができるボーナスを得るための仕掛けがあります。
    デイリークエストはその日のレッスン目標が設定され、クリアすると最大30分間XP3倍ボーナスがもらえます。
    期間限定アイテムの早起き宝箱と夜更かし宝箱。早起き宝箱は6:00から12:00にレッスンを行うと、その日の18:00から24:00にXP2倍ボーナスをもらえ、夜更かし宝箱は18:00から24:00にレッスンを行うと翌日6:00から12:00にXP2倍ボーナスがもらえます。さらにこの時間帯にXP3倍レッスンを行っていると、ボーナス時間が切れる直前に15分延長ボーナスをゲーム通貨で購入しないかというお誘いがきます。
    フレンズクエストは友達と一緒に複数のクエストをクリアする課題。これをクリアすると30分間XP2倍ボーナスがもらえ、このボーナスは数日の有効期間中いつでも使えます。
  • 連続日数カウント

    何日続けているかを記録する連続記録がカウントされます。連続記録が長くなればなるほど記録を途絶えさせたくないという心理が働きます。また、たまたま1日できない日があっても連続フリーズというアイテムを使って連続記録を維持できる仕掛けです。連続になってないだろう、と突っ込みたくなりますが記録を途絶えさせないほうが継続率が高いのでしょう。私の連続記録は187日ですが、既に何度もアイテムを使っています。

  • 通知
    通知設定がきめ細やかにできるようになっています。ルイス・フォン・アンCEOは効果的なアラートのためにAIを活用していると述べています。何時にどのような通知を送ると学習行動につながりやすいかをAIに学習させているのです。確かにボーナスの通知やランクが下がった通知、連続記録まであと数十分の通知など、うまく危機感があおられてしまいます。

  • 頻繁なフィードバック
    とにかくフィードバックが多いことが特徴です。1問解答するごとに正答なら誉め言葉、誤答なら正答の解説、正解した時の音、レッスン完了した時の画面表示など一つ一つのアクションに対してフィードバックがあります。
  • バッジの獲得
    毎月のチャレンジをコンプリートするともらえる月間バッジと様々な取り組みの基準を超えた時にもらえる実績(バッジ)があり、これらを集めたいという気持ちがモチベーションにつながっています

  • フレンズ
    SNSのように友達をフォローしたり、されたりする仕組みがあります。友達の活動を見て頑張ったり見られて頑張ったり、励ましたり励まされたり、ほめたりほめられたりすることがモチベーションになります。

  • キャラクターとストーリー
    ユニークなコンテンツを標榜しているだけあって、レッスンに出てくる英文も面白い内容になっており、登場するキャラクターは可愛らしく、愛すべき人格の持ち主ばかり。面白いお話を聞きたくて、愛すべきキャラクターと話をしたくて、学習を続けたくなるのです。
  • おわりに

    Duolingoでのユーザー体験によって学習とゲーミフィケーションの相性の良さを改めて実感しました。
    あらゆる事象にゲーミフィケーションが効果的とは思いませんが、学習や能力開発など継続的な努力が必要な課題には、Duolingoのモチベーション戦略がとても参考になります。
    私はこれから次の語学学習にチャレンジしようと考えております。
    清田 茂

    このコラムの担当者

    清田 茂

    日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員

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