コラム

人事コンサルタントの視点

今必要とされる変革型リーダー

公開日:2021/02/05

グローバル化や技術革新などが急速に進む社会で、組織を率いるリーダーの役割は重要性を増しています。新型コロナウィルス感染症の蔓延により、不確実性がますます高まる中、その重みもさらに増大しています。今回は、変化の時代に必要とされる変革型リーダーについて取り上げます。


リーダーシップの機能とリーダーシップモデル

SHLのモデルでは、組織において有効にリーダーシップを発揮するために重要な4つのリーダーシップの機能を定義しています。
  1. ビジョンを作る(戦略)
  2. 目標を共有する(コミュニケーション)
  3. 支援を得る(人)
  4. 成功をもたらす(オペレーション)

各リーダーシップの機能は、マネジメントとリーダーシップという2つの観点で分かれます。

マネジメント・フォーカス(業務型):システムをうまく動かし続けることや、特定目的に対して信頼できるパフォーマンスをあげる
リーダーシップ・フォーカス(変革型):システムの方向性を創り出し、発展・変化させることや、人と組織の両方を鼓舞して期待以上の成果を達成する

各リーダーシップの機能は関連する2つのコンピテンシーがあり、ひとつはマネジメント・フォーカスに、もうひとつはリーダーシップ・フォーカスに、より関連します。



SHLリーダーシップモデルにおけるリーダーシップ・フォーカス(変革型)は、まさに変革型リーダーであり、様々な影響を受けて変化する今の世の中で必要とされるリーダーシップと言えます。

コロナ禍のチャレンジと変革型リーダーに求められるもの

コロナ禍では、リーダーにとって次のようなチャレンジが鮮明になりました。

  • リモートワークによって物理的に散らばるチームをうまくリードする
  • 曖昧さ、不確実性、混沌であふれる世界で成果を出す
  • 目標に向かうべく、従業員に安全と安心を提供する
  • 組織を前進させるために新たな戦略を立案し、実行する
  • プロダクトやサービス、プロセスが急速に変化する環境で業務を遂行する
  • リソースの制約が絶えずつきまとう状況で組織を運営する

コロナ禍の文脈で、変革型リーダーに求められるコンピテンシーを解釈します。

ビジョンを作る「創造力」革新的なアイデアを生み出し、戦略的に考える
→ 誰も経験したことのない世界的パンデミックで、様々な制約が課される状況下での組織運営です。これまでのやり方ではなく、革新的な手法を発案、取り入れてリーダーシップを発揮する必要があります。

目標を共有する「対人積極性」 人とコミュニケーションをとり、説得し、影響を与える
→ 物理的な接触が減り、リモート下でのコミュニケーションが主流となります。非言語情報を含めて相手を見ながら自分を伝える方法は封じられます。また、同様の方法で相手の情報を得ることもできません。より積極的かつ明確にメッセージを発信し、相手からのフィードバックを適切に受け取れるようになる必要があります。

支援を得る「リーダーシップ」率先して行動を起こし、指示を与え、責任を引き受ける
→ パンデミックの収束が見えない状況で、今進むべき目標に向かって周りを鼓舞しながら巻き込んでいくことが求められます。すばやく決断し、自分が主導権を持って強いリーダーシップを発揮する必要があります。

成功をもたらす「完遂エネルギー 」結果を出すこと、目標を達成することに焦点を当てる
→ 未知の経験であっても、目標達成のためにエネルギーを注いでやりきることが求められます。やるべきことを認識して具体的な行動に移せることが重要になります。

おわりに

急速な変化は以前から叫ばれていましたが、新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、多くの人がパラダイムシフトを実感しています。この変革が進む世界で組織を率いていくには、同じく変化に順応し、変革を起こしていける人材が必要です。変革型リーダー(あるいはそのポテンシャルを持つ人)をいかに見つけ、アサインし、業務を実行していくかが、これからの組織の継続と発展の鍵となります。パーソナリティ検査OPQではリーダーシップ・リポート(サンプルリポート抜粋)を用いて、ご紹介した変革型リーダーシップや個々のコンピテンシーについてポテンシャル予測が可能です。ご興味のある方は当社コンサルタントまでお問い合わせください。
水上 加奈子

このコラムの担当者

水上 加奈子

日本エス・エイチ・エル株式会社
マーケティング課 課長

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