事例:ハイネケン グローバル新卒採用
公開日:2015/04/24
このコーナーは、イギリスのCEB SHL Talent Measurementがお客様に向けて発信している様々な情報を日本語に翻訳してご紹介するものです。主に広報誌やユーザー向けネット配信、HPプレスリリースなどから記事をピックアップしています。海外の人事の現場でどんなことが話題になっているのか、人材マネジメントに関して海外企業はどんな取り組みをしているのかをお伝えすることで、皆さまのお役に立てればと願っております。
今回はハイネケン・インターナショナルの採用事例をご紹介します。
ハイネケン
- 1864年創立
- 70カ国に190以上の醸造工場を所有
- 世界第3位のビール会社
- 社員数85000人
課題 ――将来のビジネスリーダー確保
ハイネケン・インターナショナルにとって、将来リーダーの強いパイプラインの確保は戦略的優先事項です。ビール以外のマーケットにも進出しようとしており、競争の激しい業界で会社を成功に導くような人材を惹きつけるためには、国際的新卒採用プログラム(International Graduate Programme:IGP)が重要です。
ハイネケンIGPマネジャーであるAlfonso Auñón García氏は次のように述べています。「これまで自分たちのブランド力で人材を惹きつけてきました。これからは新しい視点と斬新なアイデアで同僚に刺激を与え、経営層に挑戦できるような将来リーダーが必要です。」
会社の新卒採用枠は非常に狭き門です。2013年度、たった24人の枠に9週間で22,000名の応募がありました。この数の応募者を絞っていくには大変なコストと時間がかかりました。
候補者の質を向上させ、効率を高めてコストを削減するために、ハイネケンは、会社の組織風土・価値観に合った候補者を客観的に一貫して選抜するよりよいプロセスが必要であると考えました。
ソリューション ――オンラインのパーソナリティ検査・意欲検査とそれらの報告書
2013年9月、ハイネケンはCEBに問い合わせ、採用プロセスの改革に取り組みました。
CEB SHL Talent Measurementビジネスディベロップメント担当マネジャーであるLucinda Neizenは次のようにコメントしています。「ハイネケンはすでに候補者選抜にSHLの能力テストを活用していました。我々がIGPチームにアドバイスしたのは、候補者の質や職務適性を向上させるために、より幅広い客観アセスメントの活用をスタートさせることです。彼らのリーダーシップ・コンピテンシーに紐づいたパーソナリティ検査や意欲検査の活用です。」
ハイネケンは2013年12月スタートの定期新卒採用プロセスでこの新しいやり方を導入しました。書類選考、オンラインの能力テスト、電話インタビューで18,000人の応募者を120名に絞りました。通過した候補者には、パーソナリティ検査と意欲検査の結果に基づく詳しいハイネケン・リーダーシップ・コンピテンシー・リポートを参照しながらの、詳細な対面インタビューが実施されました。
その結果、30名がアセスメントセンター方式の最終選考に参加してシミュレーション演習を受け、うち13名が合格しました。
「対面インタビューに前年は4日間かかりましたが、今年は3日間ですみました。採用の質は向上し、応募者からの評判もよかったです。」(Auñón氏)
CEBソリューションはハイネケンの既存のLumesseタレント・マネジメント・システムに組み込まれ、応募者にオンラインテストを受検するよう自動的に案内が行き、テスト結果が記録されます。ハイネケンはまた、採用者の導入プログラムで個人の能力開発支援にアセスメント結果を活用したいと考えています。
結果 ――より質の高い採用者で、リーダーシップ・パイプラインが強化
CEBソリューションは候補者のアセスメントで効率と費用対効果を大きく改善しました。必要な上級管理職の時間は60%減り(2013年48人日→2014年19人日)、年間ROIは175%でした。「新しいやり方のおかげで、最終アセスメントに参加する候補者の質が向上しました。最終アセスメントの合格率は、2013年35%から2014年43%に上がりました。」(Auñón氏)
一貫したアセスメントを用いることで、候補者を同じリーダーシップ・バリューに基づいて公平に評価することがはるかにたやすくなりました。「今年、満足度は大きく向上しました。社内関係者の満足度は85%、応募者の満足度は91%でした。」(Auñón氏)
結果として、ハイネケンは、新卒採用者のグローバルリーダー職に対する力量に自信を持っています。CEBの支援によってハイネケンはベストな新卒者を採用でき、強いグローバル企業としてビジネスを前進させるための強固なリーダーシップ・パイプラインを確立できました。
プログラムの成功に続いて、世界的な採用スタンダードを作成しようという策の一部として、ハイネケンはどのようにしたら世界中のグループ会社にSHLツールの活用を広げることができるかを検討しています。
「今後がとても楽しみです。我々の願いは、CEBと一層緊密に協力して動き、CEBのサービスをハイネケンのグローバル採用計画に欠くことのできない一部とすることです。」(Auñón氏)
採用と言えば、今年もまもなくフレッシュな新入社員を迎える季節ですね。桜舞う中彼らの姿を見かけると、私まで新鮮な気持ちになります。

このコラムの担当者
堀 博美
日本エス・エイチ・エル株式会社